外来リハビリと介護保険サービスは併用できるの???

おハムケアマネ

こんにちは!おハムです

利用者さんのなかで、介護保険サービスを利用しながら、クリニックに通い漫然と長い期間のリハビリを行っている利用者さんもいます

病院の外来リハビリを行っている人は介護保険に移行しているのに、なぜ漫然と利用できているのか?クリニックには介護保険を利用していることが伝わっていないのか?疑問に思ったので調べてみました!

介護認定と外来リハビリはどのようなルールの中で行われているのでしょうか?

病院でのリハビリテーションには期限がある

病院でのリハビリテーションには期限がある

病気やケガをして病院でリハビリテーションを受ける場合、入院・外来に関わらず実施できる期限が設けられています。正式には「標準的算定日数」と呼ばれます

・「脳血管疾患等リハビリテーション」:180日(脳や脊髄など中枢神経の外傷や病気)

・「運動器リハビリテーション」:150日(骨折などのケガや、腰痛や五十肩なども含む整形外科的な疾患)

・「廃用症候群リハビリテーション」:120日(内科などの病気の治療中に体を動かすことが少なくなって日常生活に支障をきたした場合)廃用症候群リハビリテーションの場合は内科の病気の診断日からではなく、「○○(内科病名)による廃用症候群」と診断された日から数えます。

・「呼吸器リハビリテーション」:90日

・「心大血管リハビリテーション」:150日

おハムケアマネ

期限が来る前にリハビリテーションを受けなくても良い身体になって終了するのが理想です

現在の制度でも期限を超えてリハビリをすることは可能ですが、あくまでも「治療を継続することにより状態の改善が期待できると医学的に判断される場合」に限ります

「リハビリすることで予防したい」

「リハビリすると気持ちがいいから続けたい」

「動くことが少ないのでずっとリハビリに行って運動したい」

これらの理由で期限を超えてリハビリをすることはできません

期限が過ぎても病院でリハビリテーションが継続できる場合とは?

おハムケアマネ

対象の疾患において医師が「状態改善が見込める」と認めた場合には、この日数を超える疾患別リハ提供が可能になります

▼失語症

▼失認および失行症の患者

▼高次脳機能障害の患者

▼重度の頚髄損傷の患者

▼頭部外傷および多部位外傷の患者

▼慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者

▼心筋梗塞の患者

▼狭心症の患者

▼軸索断裂の状態にある末梢神経損傷(発症後1年以内のものに限る)の患者

▼外傷性の肩関節腱板損傷(受傷後180日以内のものに限る)の患者

▼回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する患者

▼回復期リハビリテーション病棟において在棟中に回復期リハビリテーション病棟入院料を算定した患者で、当該病棟を退棟した日から起算して3か月以内の患者(医療機関に入院中の患者、介護老人保健施設・介護医療院に入所する患者を除く)

▼難病患者リハビリテーション料に規定する患者(先天性・進行性の神経・筋疾患の者を除く)

▼障害児(者)リハビリテーション料に規定する患者(加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病のものに限る)

▼リハビリテーションを継続して行うことが必要であると医学的に認められるもの

おハムケアマネ

長くリハビリをしている利用者さんはこのなかに該当の疾患がありました!

だけど介護認定を受けていると、外来リハビリが継続できないのかな???

医療保険と介護保険のリハビリテーションは併用できない


要介護被保険者等である患者に対して行うリハビリテーションは、同一の疾患等について、医療保険における心大血管疾患リハビリテーション料、脳血管疾患等リハビリテーション料、廃用症候群リハビリテーション料、運動器リハビリテーション料又は呼吸器リハビリテーション料(以下「医療保険における疾患別リハビリテーション料」という。)を算定するリハビリテーション(以下「医療保険における疾患別リハビリテーション」という。)を行った後、介護保険における訪問リハビリテーション若しくは通所リハビリテーション又は介護予防訪問リハビリテーション若しくは介護予防通所リハビリテーション(以下「介護保険におけるリハビリテーション」という。)の利用開始日を含む月の翌月以降は、当該リハビリテーションに係る疾患等について、手術、急性増悪等により医療保険における疾患別リハビリテーション料を算定する患者に該当することとなった場合を除き、医療保険における疾患別リハビリテーション料は算定できない。

引用:厚生労働省「医療保険と介護保険の給付調整に関する留意事項及び医療保険と介護保険の相互に関連する事項等について」

おハムケアマネ

国は医療保険から介護保険へのリハビリテーションの移行を進めています

要介護等の高齢者に対し、維持期・生活期の(標準的算定日数を超える)外来リハは、医師が「医療保険のリハビリ継続が必要」と判断した場合や「外傷性の肩関節腱板損傷」「高次脳機能障害」などの場合を除き、算定できなくなりました

介護保険認定者であれば、医療保険よりも介護保険が優先!

介護保険のリハビリと医療保険のリハビリは併用できないことはわかったよ

併用が可能な例外はないのかな?

医療保険と介護保険のリハビリテーションが併用できる条件

ただし、医療保険と介護保険のリハビリテーションが併用できるケースもあります
① 別疾患により医療保険のリハビリテーションが必要となった場合
介護保険のリハビリテーションを受けている疾患とは別の疾患により医療保険の疾患別リハビリテーションが必要となった場合は、介護保険のリハビリテーションと併用が可能です。
(例)脳梗塞にて介護保険のリハビリテーションをしている患者が、転倒による骨折で医療保険のリハビリテーションが必要になった等

② 医療機関とは別の施設でリハビリテーションを提供することになった場合
この場合、医療から介護への円滑な移行が期待できることから、介護保険のリハビリテーションの利用開始日を含む月の翌々月まで併用が可能です。ただし、当該利用開始日の翌月及び翌々月に算定できる医療保険の疾患別リハビリテーション料は 1 月 7 単位までとなります。

③ 紹介先の事業所のリハビリテーションを体験する目的の場合
目標設定等支援・管理料を算定してから 3 月以内に、当該支援によって紹介された事業所において介護保険のリハビリテーションを体験する目的の場合は、1 月に 5 日を超えない範囲であれば、併用が可能です(医療保険から介護保険に移行したと見なされないため)。

この場合、医療保険におけるリハビリテーションを行った日と同日に介護保険のリハビリテーションはできないため、注意が必要です

おハムケアマネ

原則として、介護保険のリハビリテーションを導入した翌月以降は、医療保険のリハビリテーションとの併用はできません

新たな疾患や損傷が起きたときと、移行の際のみということですね

介護保険の認定は受けているけど、介護保険のリハビリサービスを利用していなければいいのかなぁ?

介護保険の認定は受けていても介護保険でリハビリをしていなければ制限はないの?

  • ① 通所リハビリ + 訪問リハビリ→ ケアマネジメントの結果、明確に併用が必要とされた場合は可能です。
    しかし、通所サービスにより同様のサービスが担保されるのであれば、通所サービスを優先すべきと厚生労働省より通達があり
  • ② 病院の外来リハビリ + 訪問リハビリ→ 原則的にできません
  • ③ 訪問看護 (看護師による運動)+ 訪問リハビリ→ 併用可能です。訪問看護自体はリハビリを実施する上での制約にはなりません
  • ④ 訪問看護ステーションからのリハビリ職の訪問(訪問看護Ⅰ5) + 訪問リハビリ→ 制度上の制約はありません。しかし、同一内容のリハビリを必要とされるのであれば、1つの事業所にリハビリ提供を依頼されることを推奨されている
  • ⑤ 訪問看護ステーションからのリハビリ職の訪問(訪問看護Ⅰ5) + 病院の外来リハビリ→ 外来リハビリは介護保険をお持ちの方への実施に期限や制約がありますが、併用自体は可能です。しかし、外来リハビリへ通える方にリハ職が訪問することが必要かどうかについては十分な検討が必要(訪問看護(Ⅰ5)と外来リハの併用不可能という通知はない)
おハムケアマネ

病院の外来リハビリと、訪問看護のリハビリ職訪問は併用できるとの見解ですので、介護保険の認定を受けていても、介護保険のリハビリテーションを利用していなければ併用は可能であると言えます(必要性がケアプランに記載できればです)

まとめ

おハムケアマネ

 リハビリ以外の介護保険サービス(訪問看護ステーションからのリハビリ職の訪問) と 病院の外来リハビリとの併用が不可能であるという通知はないため、もし要介護等の者に対して外来リハビリを提供している場合は、「医師が必要と認めた場合」であるため、特に心配する必要はないと言えます

 ただ移行できるのであれば、外来リハビリテーションから介護保険でのリハビリテーションに移行できるように協力する必要があるといえます

利用者さんに「どうしても外来リハビリで」と希望されて、外来リハビリも漫然と行っている場合はそのままでいいのか悩んじゃう

直接、クリニックに見解を聞こうと思っていますが、それをきっかけに利用できなくなるのもなんだかなぁ…(ぼやく)

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