
《主任介護支援専門員研修》を受けたのですが、問題解決型で指導をしてきた私には、《スーパービジョンはどのように関わるべきものなのか》どうしても納得できませんでした。
理解できない私の頭の中を整理するためにまとめてみました
(私見も含んでいる可能性もあります。こういう考え方もあるんだなという視点でご覧いただければ幸いです)
スーパービジョンの基礎知識スーパービジョンが納得できない人のための、スーパービジョンの理解!
スーパービジョン(SV)とは…ケアマネジャーの養成・バーンアウト予防、利用者支援の向上を目的として、スーパーバイザー(SVを行う人)が、スーパーバイジー(SWを受ける人)との関係性の中で、「管理的」「教育的」「支持的」機能を遂行していく過程のこと。
バイジー
《スーパービジョンを受ける人》
《スーパービジョンを実施する人》
・管理的機能:法令・就業規則・事業所ルールなどを守れるように関わり、必要であれば改善する
・教育的機能:利用者の自立支援を促進する専門職として、必要な知識・技術・技能・価値・倫理を具体的に教える。スーパーバイジーが自ら工夫して、自分で方策を考えて、利用者から認められて、学習し向上したいと意欲的になれるように、思いを引き出す支援をする。知識と実践を結びつける支援をする
・支持的機能:利用者支援には、スーパーバイジー自身が安定した状態でいることが不可欠。心理的サポートやバーンアウト予防できるよう支援する
スーパーバイジーさんに《気づきを促す》ように支援するのですね!
スーパービジョンができる関係性・雰囲気づくり
・自分で解決しなきゃ
・こんなこと言ったら注意される
・モヤモヤするけど、よくわからない
・上手に説明(言語化)できない
スーパーバイジーに起きたこと(感情・思考)を安心な環境で振り返り、再考する体験を次の実践に繋げるように支援します
・否定や批判はされない
・話しやすい雰囲気(うなづき・あいづち・視線)
・《相談された事例》も《バイジーもつ価値観》も大切に扱う
・事例を理解しようとする
・スーパーバイザーの考えを押し付けられない
・スーパーバイジーの秘密を守る
こんな環境なら、思いを素直に話せます!
ここまでは私も納得できる!
実際はどんなことをするの?
バイザー
私のすることは、《相談された課題を解決》することではありません。
スーパーバイジーさんが自己覚知出来るように促すこと!
この事例だけに限らず、困ったときに自分で考えることができるようにする支援をします
《スーパーバイザーの姿勢》
・「支援の正解を探す・伝える場ではない」
・「出来ていないことを指摘される場でもない」
・スーパーバイジー自身が、自分の支援を振り返り、バイジー自身や利用者に対して気づきが得られるプロセス
・スーパーバイザーの意見は言わない、誘導しない、答えをもって質問しない
・スーパーバイジーの非言語的は反応から、どのような気持ちで話しているのか意識する
スーパーバイザーの意見を盛り込まないことで、面談の内容がザックバランになってしまい、相談内容が解決しないのではないのかな?
私は意図的に問題点に気が付ける質問をして、自分でその解決方法に気が付けることの方が有意義だと感じてしまう…
その解決方法は、《あなたの解決方法》であって、《スーパーバイジーの解決方法》は別にあるかもしれませんよね!
あなたの考えは、スーパービジョンではなくコーチングです!
・ティーチング:画一的に教える、教え込むこと。デメリットは一方的な印象を受けやすく、背景や理由が理解できなければ、形骸化しやすい。(法令違反・反倫理的行動に適切)
・コーチング:人間の可能性を信じ、それぞれの個性を尊重しながら信頼関係を築き、自立型人材に育てていく技法として活用。相談援助専門職の能力向上を図ることに限らず、組織教育的な概念をも含んでおり、目的は目標の達成や問題解決。コーチングでは指導者側が、ある程度目標や答えになるところが見えていて、そこに対話を通じて導こうとする。
・スーパービジョン:目的が専門職としての資質向上です(管理的機能、教育的機能)。よって、専門職としての視点・考え方の拡大により、対処能力が向上し、目標が達成され、問題を解決できるというもの。さらに、支持的機能(バーンアウト防止や心理的なサポート)の効果もある。
私は、コーチングとスーパービジョンをはき違えているってことですね!
スーパーバイジーは困りごとがあって、相談に来ているのに「のらりくらり」されているように感じ、「相談して損した」と思わせてしまわないかな?
バイジー
話しやすい雰囲気で丁寧に聞こうとしてくれるので、「ありのままの自分でいいんだ」と安心します
話を重ねていく中で、1人では気が付けない部分に気が付くことができました
自分の支援に自信を持つことができます!
なかには、『何を聞いてもまともに答えてくれない』と不満に感じる人もいます
その状況や相手の気持ち・緊急性などに応じて、ティーチングとスーパービジョン・コーチングを使い分けることができるとなお良いですね!
それに、コーチングでは今抱えている問題解決は可能ですが、バイジーの心理的サポートはできるでしょうか?
確かに…、心理的サポートとは言い難い…
「わかってうれしい」はあるけど、「辛い」とか「しんどい」の支援には遠いような感じがします。
・自分の話を否定せずに一所懸命聞いてもらう
・感情を正直に伝えることができる
・そんな自分を肯定して、認めてもらえる
・バイザーの考えを押し付けられない
・自分の反応を確認し、感情に寄り添ってくれる
そうしたら、どうでしょう?
うれしいです!
自分が認めてもらえて、味方がいるように感じることができます。
「もっと頑張ろう」と思えてきます!
スーパーバイジーの成長のみではなく、スーパーバイザーも一緒に成長させてもらっているという視点で関わることが大切ということですね!
はい!
自分の考えを正しいと思い込んで、傲慢だったと反省しました。
つい先回りして考えてしまうので、これからスーパービジョン実施の際には《スーパーバイジーの考えや感情・言葉を重ねていく過程を、バイザーとして温かい感情を持って、共にいる》という気持ちで臨んでみようと思います。
【私の結論】
スーパーバイジーの考えや感情・言葉を重ねていく過程を、バイザーとして温かい感情を持って、共にいる
すぐに習得できるものではないので、ゆっくり経験を重ねて習得できるようにしましょう
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