
こんにちは!おハムです
厚生労働省は2022年3月31日に介護最新情報Vol.1062にて「介護保険施設等運営指導マニュアルについて」の通知がでました
一部オンラインでの実施が可能になったので「実地指導」から「運営指導」に変わったようです
「運営指導マニュアル」には何が書いてあるのでしょうか?
居宅事業所に対して、自治体がどのようなマニュアルで「指導」をおこなうのか調べてみました!
運営指導マニュアル
《目的》
・介護保険施設等が適正なサービスを行うことができるよう支援
・「介護給付等対象サービスの取扱い」 及び「介護報酬の請求」に関する「周知の徹底」を図る
・サービスの質の確保
・保険給付の適正化
「集団指導」・「運営指導」にて周知
不正などの疑いがあれば「監査」へ移行し的確な把握、公正・適切な措置として「勧告」「命令」「指定取消」などにつながる可能性があります
運営指導は周知の目的なので、直接保険者に見解を相談し、指導を受けられるチャンスといえます
指導の種類
《指導の方法》 介護保険施設等の適正な運営の確保のために行う支援及び育成
①集団指導(毎年度1回以上)
正確な情報の伝達共有による不正等の行為の未然防止を目標としており、いわば介護保険施設等に対し情報のインプットを図るものです。つまり、介護保険施設等が介護保険制度に基づくサービスを適正に行うためには、正確な情報が必要となるため、行政機関は、必要な情報の発信及び伝達について、漏れの無いように確実かつ一斉に行う必要があります
②運営指導(有効期間に少なくとも1回)
介護保険施設等ごとに、介護サービスの質、運営体制、介護報酬請求の実施状況等の確認のため、 原則、実地に行うものです。また、運営指導は、集団指導で発信及び伝達した情報が確実に介護保険施設等の側に届いているか確かめる機会、つまり、介護保険施設等が行うサービスについて、日々のサービスで正しくアウトプットができているか確認する機会であるともいえます。
集団指導は、講習でもオンラインでも可能です
運営指導
《運営指導の内容》
(1)介護サービスの実施状況指導
運営指導のうち、主として利用者に対するサービスの質を確認するために行う指導で、 確認項目及び確認文書のうち、主に個別サービスの質を確認する事項について、実地に確認し必要な指導を行うものです。
この指導では、確認項目及び確認文書によるケアマネジメント・プロセスに基づくサービス実施の確認の他、特に施設系サービスや居住系サービス、通所系サービスにおいては、サービスを受ける利用者の生活実態の把握により、 サービスの適正性の確認や高齢者虐待及び不適切な身体的拘束等の発見や防止について、行政機関の担当者が現場で実態を目視し、関係者から状況を聴取することにより確認することを想定しています。
また、 確認項目及び確認文書の中で施設又は設備について規定のあるサービス種別の場合は、それらは現地に行かなければ確認できないことから、それらについても併せて確認を行います。
なお、利用者に関する文書は、 介護保険施設等に保存されていますが、 行政指導の任意性及び個人情報保護の観点から、現地において閲覧し、内容の確認を行うことが望ましく、 個人情報の保護に関する法律 (平成15年法律第57 号)(以下「個人情報保護法」という。) に規定する個人情報”の提出を受け保有個人情報とする場合についても、それらが個人情報保護法に規定する要配 個人情報又は条例要配慮情報」に該当する場合があることから、行政機関として適切な取扱いを行うことが求められます。
(2)最低基準等運営体制指導
この指導は、サービス種別毎の基準等に規定する運営体制を確認するために 行う指導で、確認項目及び確認文書のうち、個別サービスの質を確保するための体制に関する事項について確認し必要な指導を行うものです。
この指導でも、確認項目及び確認文書により運営体制の確認を実地に行うことを想定していますが、 上記 (1) の指導とは異なり、確認項目及び確認文書の全部又は一部について、現場に行かなくても確認可能と判断できる場合は実地以外の方法、 、オンライン会議システム等を活用することが可能です。
(3)報酬請求指導
この指導は、報酬基準に基づき介護保険給付の適正な事務処理を支援し、要件に適合した加算に基づくサービスの実施を支援することにより、 不正請求の防止と制度管理の適正化を図ることを目的として、それによりサービスの質の確保やよりよいケアの実現を目指すものです。具体的には、主として介護保険 施設等が届出等で実施する各種加算に関する算定及び請求状況について確認します。一部の確認文書を活用し確認できる場合もありますが、 基本的には基準等に定められている各種加算等の算定要件にかかる文書等により、その適合性について確認します。
また、加算報酬の請求については、その算定要件が満たされていても、取扱いが不十分である場合は、正しい理解に基づく取扱いをするよう改善指導を行う必要があります。
この指導でも、基本的には実地に確認を行うことを想定していますが、 現場に行かなくても確認可能と判断できる場合は、実地以外の方法、上記 (2) 指導と同様に、オンライン会議システム等を活用することが可能です。 なお、介護報酬の基本報酬部分については、算定している単位数が実際のサービスに相応したものであるか確認します。
この3つの指導を分けて行ったとしても、3種類すべての指導を実施して、はじめて運営指導となります
頻度:有効期間内に少なくとも1回以上(6年に1回程度)
通知:実施予定日のおおむね1月前までにあり(虐待の疑いがあるときには通告ないことあり)
《書面指導の廃止》
書面指導:行政機関が指定した様式を使い、指定した内容について書面に記入し、それを報告させ、それのみをもって指導 (行政指導)を行うこと
平成18年以降ですでに廃止しています
その代わりに、自己点検シートで事前に自己点検し、それを提出します
しかし、自己点検シートの確認と、 施設・設備や、確認文書を実際に見て確認し、管理者等の話を聞き、その上での指導になります
事前に自己点検を励行することにより、自治体も介護保険施設等も双方の時間の短縮・負担の軽減になります
自己点検シートはWAMネットからダウンロードできます(居宅はNo201)
《確認する期間》
運営指導を行う年度の前年度から直近(おおむね1か月程度前まで)の実績に係るもの
→不明点が見つかった場合は、それよりも過去の状況の確認や、監査につながる可能性あり
《利用者へのサービスに質の確認目的の記録の確認》
原則として介護支援専門員1人あたり1から2名の利用者について記録を確認する
《当日の提出書類》
提出は1部のみ、自治体が保有している文書については、改めて提出を求めない
《電磁的記録により管理されている書面》
ディスプレイ上で内容を確認する(別途、印刷した書類などの準備や提出を求めない)
(電磁的記録にて文書を作成するが、すべて印刷し紙媒体で通常管理している場合は除く)
「運営指導のために印刷」がなくなるだけでもありがたいです
運営指導の流れ:自治体側
《事前》
(1)1か月前までに通知する
通知内容
① 運営指導の根拠規定及 び目的② 運営指導の日 時及び場所 ③指導担当 者 ④ 介護保険施設等の 出席者 (役職名で可) ⑤ 準備すべき書類等 ⑥ 当日の進め方、 流れ等 (実施する運営指導の 形態、 スケジュール 等)
(2)事前確認
事前資料の提出、自己点検結果の報告を貸している場合はそれらの資料の確認
《当日》
(3) 運営指導
○ サービスの質に関する確認 【介護サービスの実施
状況指導】
1) 個別の利用者を通じた確認
・利用者の生活実態の把握 2) 施設設備の確認
サービスの質を確保する体制に関する確認
【最低基準等運営体制指導】
○ 報酬請求に関する確認 【報酬請求指導】
1) 加算及び減算に係る考え方加算時の請求に 当たっての基本的な考え方を確認する。
2) 加算及び減算の実施状況加算時の請求の種
類等の状況を確認する。
3) 加算及び減算の請求の内容 各種加算時の請 求を行っているものについて関係書類等により施
設・事業所側から説明を受ける。 につい
4) 効果 加算を実施したことによる効果
て説明を受ける。
5) 基本報酬について確認
今までの内容と大きな変化はありませんが、新型コロナウィルス感染症の継続を受け、一部にオンライン指導の導入も可能となりました。
そのため指導の名称が「実地指導」から「運営指導」に改称しています。
運営指導では、「サービスの質の確認」と「体制等の確認」の2種類があり、介護サービスの実施状況、利用者に関する文書、加算算定要件関係文書などについては、実地で確認することが基本とされています。
文書の確認では前年度から1ヶ月前の書類を確認、対象は3名以下が基本となります。
確認すべき文書が無いなどの場合には、監査を実施する必要があるとされています。
監査については、法76条に規定する立ち入り検査で、運営指導で不備な点がある場合など、その場で指導から監査に移行することができます。
監査は事業所側の同意を必要とせず、行政指導や処分を行う際に実施されます。
指導から監査へ移行されるのは以下のようなケースとなっています。
(マニュアルP22-23より)
(1)人員・設備・運営基準に従っていない状況が著しいと認められる場合
(2)報酬請求について不正又はその疑いがある場合
(3)不正の手段による指定又はその疑いがある場合
(4)高齢者虐待又はその疑いがある場合
運営指導の対策として大切なのは、日々の適正な運営と記録です。
その第一歩は、基準や加算要件を正しく理解することです。
新年度が始まり、慌ただしい時期だと思いますが、これらの知識習得にも力を注ぐことをおすすめします。
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