
こんにちは!おハムです
今日はケアマネジャーの看取り支援について復習します
加算の算定基準や、「意向を踏まえた課題分析」の書き方など、具体的に自分たちのできることを考えてみましょう
ターミナルケアマネジメント加算
ターミナルケアマネジメント加算は、末期の悪性腫瘍の患者に対して、利用者の同意を得たうえで、主治医の助言を得て、ターミナルケアマネジメント支援を行った場合の加算です
ターミナルケアマネジメント加算:400単位
注)在宅で死亡した利用者(末期の悪性腫瘍の患者に限る)別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして市町村長に届け出をした指定居宅介護事業所が、その死亡日及び死亡日前14日以内に2日以上、当該利用者または、その家族の同意を得て、当該利用者の居宅を訪問し、当該利用者の心身の状況等を記録し、主治の医師及び居宅サービス計画に位置付けた居宅サービス事業者に提供した場合は、1月につき所定の単位数を加算する
事前に同意書が必要です
ちなみに電話のみのモニタリングではダメです
指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準 (訪問通所サービス、 居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分) 及び指定居宅介護支援に要る費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について
17ターミナルマネジメント加算について
(1)ターミナルケアマネジメント加算については、在宅で死亡した利用者の月に加算することとするが、利用者の居宅を最後に訪問した日の属す月と、利用者の死亡月が異なる場合には、死亡月に算定することとする。
(2) ターミナルケアマネジメント加算は、1人の利用者に対し、1か所の指定居宅介護支援事業所に限り算定できる。 なお、算定要件を満たす事業複数ある場合には、当該利用者が死亡日又はそれに最も近い日に利用指定居宅サービスを位置づけた居宅サービス計画を作成した事業所がターミナルケアマネジメント加算を算定することとする。
(3)ターミナルケアマネジメントを受けることについて利用者が同意した時点以降は、次に掲げる事項を支援経過として居宅サービス計画等に記録しければならない。
① 終末期の利用者の心身又は家族の状況の変化や環境の変化及びこれらに対して居宅介護支援事業者が行った支援についての記録
② 利用者への支援にあたり、主治の医師及び居宅サービス計画に位置付指定居宅サービス事業者等と行った連絡調整に関する記録
記録は必須!
(4) ターミナルケアマネジメントを受けている利用者が、 死亡診断を目的として医療機関へ搬送され、24 時間以内に死亡が確認される場合等については、ターミナルケアマネジメント加算を算定することができるものとする。
特定事業所加算算定事業所は、質の高いケアマネジメントを実施する事業所として、地域における居宅介護支援事業所のケアマネジメントの質の向上を牽引する立場にあることから、同一法人内に留まらず、他の法人が運営する事業所の職員も参画した事例検討会等の取組を、自ら率先して していかなければならない。 なお、事例検討会等の内容、 実施時期、共同で実施する他事業所等について、毎年度少なくとも次年度が始まる。 次年度の計画を定めなければならない。なお、年度の途中で加算取出をする場合にあっては、当該届出を行うまでに当該計画を策定すること
(5) ターミナルケアマネジメントにあたっては、 厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等を参考にしつつ、本人の意思を尊重した医療・ケアの方針が実施できるよう、多職種が連携し、本人及びその家族と必要な情報の共有等に努めること。
末期悪性腫瘍の方のサービス担当者会議
「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準
(指定居宅介護支援の具体的取り扱い方針) 基準第13条第1項第9号
介護支援専門員は、サービス担当者会議 (介護支援専門員が居宅サービス計画の作成のために、利用者及びその家族の参加を基本としつつ、居宅サー ビス計画の原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者(以下この条において「担当者」という。)を招集して行う会議 (テレビ電話装置その他の情 報通信機器(以下「テレビ電話装置等」という。)を活用して行うことがで きるものとする。ただし、利用者又はその家族 (以下この号において「利用者等」という。)が参加する場合にあっては、テレビ電話装置等の活用について当該利用者等の同意を得なければならない。)をいう。以下同じ。)の開催により、利用者の状況等に関する情報を担当者と共有するとともに、当該居宅サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。ただし、利用者(末期の悪性腫瘍の患者に限る。) の心身の状況等により、 主治の医師又は歯科医師(以下この条において 「主治の医師等」という。)の意見を勘案して必要と認める場合その他 のやむを得ない理由がある場合については、担当者に対する照会等により意見を求めることができるものとする。
末期癌の場合は、必ずしも、このプロセスを踏まなくてもOK
(現在はコロナ対策で他の人もOKになっていますが)
居宅サービス計画 第1表
ターミナル期の支援は、他のケースと同様、事例の個別性に着目して展開されます
また、それぞれの方のステージや環境、告知の有無によってもプラン内容は大きく変わります
そのため、こう書けばいいというものはありませんが、プランを作成する際の例としてみていただければと思います
利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果(介護保険最新情報vol.958)
(記載要領)
利用者及びその家族が、どのような内容の介護サービスをどの程度の頻度で利用しながら、どのような生活をしたいと考えているのか意向を踏まえた課題分析の結果を記載する。 その際、課題分析の結果として、「自立支援」に資するために解決しなければならない課題が把握できているか確認する。そのために、利用者の主訴や相談内容等を踏まえた利用者が持っている力や生活環境等の評価を含め利用者が抱える問題点を明らかにしていくこと。なお、利用者及びその家族の生活に対する意向が異なる場合には、各々の主訴を区別して記載する。
(理由)
利用者とその介護を行う家族は不即不離の関係にある。 介護や支援を受けつつ、利用者や家族が、家庭や地域社会の構成員として自立した主体的・能動的な生活を送ることが重要である。このため、利用者はもとよりその家族が、介護や支援を受けつつ、どのような生活をしたいと望んでいるのかについて、明確に把握する必要がある。このような主体的な生活への欲求と対応するサービスが一体となり初めて効果的な援助が可能となる。また、時として、このような意向が消極的な場合があるが、そのような場合には自立意欲を高め、積極的な意向が表明できるよう援助する必要がある。
利用者及び家族の生活に対する意向と課題分析の結果:文例
○○○の診断を受けました。 ご本人もご家族もご自宅での生活を希望されています。 苦痛なくご家族の見守りを受けて、ご自宅で過ごすことが出来るよう、医師と密に連携し病状管理 ( 疼痛や呼吸状態等)を行う必要があります。また病状の急激な悪化も考えられるため、あらかじめ医師の予後予測に基づく介護サービス等の準備を検討しておく必要があると考えます。
① 病気の診断から、人生の最期を出来る限り住み慣れた家で大切な時間を過ごしたいと考えている。ホスピス入居を視野に入れながら、病気と共に暮らしていくために在宅医療 (医師・看護師による点滴疼痛管理) を充実させていく必要がある。
② 人生の最終段階として、自分が守りたいもの、譲り受けてほしい物、財産等を含め納得した形で、だれに託していくか? など具体的な相続の手段等を一緒に考え、支援する。 気持ちの整理ができるように支援する。
③身体的にも病状が苦しくなったときでも、友人やヘルパー等の支援を受けながら住み慣れた家で過ごせるように支援していく。
①病状の進行から、本人が苦痛なく過ごせるように医師、看護師と連携し最期の時期を迎えられるように、対応していく。介護者の不安感等、軽減できるように相談、支援をしていく。
②病状の進行 (痛み、倦怠感、食事量の低下等)から、ベッド上で過ごす時間も増えてくる。同一体位による褥瘡等を予防するために特殊寝台付属品・床ずれ予防マットレス等、 安楽安全に過ごせる環境を整えていく。
③家で最期を迎えたい、本人の気持ちを尊重し限りある時間、家族が安心して本人の介護に臨めるように支援する。
①病状の進行から、我慢強い性格を理解し、本人が苦痛なく過ごせるように医師、看護師と連携し安楽に過ごせるように対応していく。
②大切な家族と、大好きな場所で過ごす大切な時間と捉え、家族として支援したいこと、伝えたいこと等、一緒に考え、支援する。
③病状の進行(痛み、倦怠感、腹満感)から、ベッド上で過ごす時間も増えてくるため褥瘡等を予防するために特殊寝台付属品・床ずれ予防マットレス等、安楽安全に過ごせる環境を整えていく
総合的な援助方針:文例
急な体調の変化がありますが、ご家族の見守りを受けながらご自宅で 生活していくことを決断されました。苦痛なく穏やかに住み慣れたご自宅で過ごすことをご本人もご家族も望んでおられます。病気の進行により今後も体調の急激な悪化も考えられます。 状態に応じて迅速にサービスの調整をします。
〇月、病名の宣告、 病状の進行を感じながら緩和治療を希望し、住み慣れた想い出深い家で過ごす事を強く望まれています。 点滴管理、痛みや体調の管理、病状の事をいつでも相談、 対応をしていただけるように医師、看護師のサービスを利用していきましょう。本人らしく、自分が納得できる形で、最期を迎えられるように法的な専門職とも相談し対応をしていきましょう。 以下、体調急変時の連絡先を明記。
○○○の診断があり自宅での療養を決断されたご本人様、ご家族様。 日々、病状が変化していく事に不安がありますが、住み慣れた自分の家で過ごせることは尊い時間だと思います。 出来る限り病気の苦しみを取り除き、安楽に過ごせるように医療と介護の専門職が連携を図りながら対応していきます。状態に応じてサービスを調整していきます。
点滴などの医療管理が必要な状態になりましたが、大切な家族のそばで過ごす事は何よりも大きな治癒力に繋がると思います。医師、看護師、薬剤師、ケアマネと医療と福祉が連携し、気持ちよく療養が出来るように支援をしていきます。 24時間で医療と介護の体勢も整えて行きます。
居宅サービス計画 第2表
ケアプラン 第2表の記載要領も介護保険最新情報VOL. 958 により見直しがありました。
2 第2表:「居宅サービス計画書(2)」(赤字が変更部分)(介護保険最新情報VOL. 958)
①「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」
利用者の自立を阻害する要因等であって、個々の解決すべき課題(ニーズ)についてその相互関係をも含めて明らかにし、それを解決するための要点がどこにあるかを分析し、その波及する効果を予測して原則として優先度合いが高いものから順に記載する。
具体的には、利用者の生活全般の解決すべき
課題(ニーズ)の中で、解決していかなければならない課題の優先順位を見
立て、そこから目標を立て、
・ 利用者自身の力で取り組めること
・ 家族や地域の協力でできること
・ ケアチームが支援すること
で、できるようになることなどを整理し、具体的な方法や手段をわかりやすく記載する。
目標に対する援助内容では、「いつまでに、誰が、何を行い、どのようになるのか」という目標達成に向けた取り組みの内容やサービスの種別・頻度や期間を設定する。
看取りケアプランの文例です
第2票の記入例①
【ニーズ】自宅で安心して暮らしたい
【長期目標】自分の家で最期まで自分らしく暮らすことができる
【短期目標】苦痛を少なくして、安楽に過ごすことができる
【援助内容】健康状態の確認、薬剤による痛みの管理、入院などの緊急時の対応、不安の解消、マッサージの提供、介護ベッドの利用等
第2票の記入例②
【ニーズ】最期まで大好きな妻の隣で過ごしたい
【長期目標】住み慣れた家で苦痛なく過ごせる
【短期目標】病状に応じた体調管理ができる
【援助内容】体調が悪いときは家族や看護師につたえる、出来るだけ家族と一緒に過ごせる時間を作りましょう、健康状態の確認、状態に応じた療養相談(※24時間緊急時医療連携加算)、口腔ケア、水分補給、ベッドサイドで食事・口腔ケアを行うためのサイドテーブルの貸与
第2票の記入例③
【ニーズ】急激な病状の変化にどうしたらいいのか不安に思うが、出来る限り家で生活したい
【長期目標】自宅で療養生活を続ける
【短期目標】療養生活を支える家庭内での支援体制ができる
【援助内容】医師からの説明を受け、病状や療養生活での留意点を確認する、病状や介護状況に応じて入院などの相談・提案を受ける、確実に服薬を行うとともに、薬の効果・副作用を確認する、体調に応じた保清の実施、褥瘡予防のため床ずれ防止マトレスを貸与、本人・家族の精神的なフォロー、友人の訪問時間に合わせてサービスの利用時間の調整
第2票の記入例④
【ニーズ】医学的管理のもと、出来る限り住み慣れた家で苦痛なく暮らしたい
【長期目標】適切な医療管理のもと、苦痛を感じることなく自宅で療養生活ができる
【短期目標】医療管理をうけ、苦痛なく自宅で過ごすことができる
【援助内容】体調管理、CVポンプの管理、療養相談、体調不安時や苦痛のある場合は24時間体制で相談を受ける、点滴にて栄養が確保できているため、好きなものを体調に合わせて食べるようにしましょう、安楽な体位で急送できるように特殊寝台・付属品の貸与
ターミナル期の支援の実際
QODをご存じでしょうか???
QOLとQOD
生活の質、 人生の質をQOL (quality of life) といいます。 心身ともに健康で いきいきと毎日の生活を過ごしていける状態をQOLが高いなどと表現されます。 誰もがこのように毎日を理想的に生きていくことを目指しています。 一方、死に 関しても、理想的な死があります。 死を迎えるときのあり方をQOLに対してQOD (quality of death) と言ったりすることもあります。
延命治療のために身体中にチューブを入れられて、身動きも出来ず時 として呼吸補助のために気管挿管されて声も出せないこともあります。消毒液の匂い、そして目に映るのは緑も何もない蛍光灯の光に照らされた殺風景な風景。 心電図や人工呼吸器の音だけが聞こえ、時々姿を見せる人たちは、マスクで顔を大きく覆って表情もわからない医師や看護師だけ。このような環境の中で、自分の意思と関係なく治療を続けられ死を迎えるようなケースも多々あります
ACPガイドラインに沿って支援し、本人が意思を伝えられなくなったときに、家族やケアマネ等のチームメンバーが、「〇〇さんならこういうと思う」といえる状態が作っていくことが、ACPであるといえます
さぁ、みなさんの支援はいかがでしょうか???
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