
こんにちは!おハムです
認知症利用者さんのご家族さん、とても大変な思いをして介護されています
そのようなご家族の苦労話を聞くのもケアマネジャーの仕事であるといえます
その際、利用者さんはその場で「貝」になっていないでしょうか?
認知症のある利用者さんでケアマネジャーとの面談の時間に苦痛に感じている方はいないでしょうか?
登場人物
101歳 女性 要介護1
認知症で記憶障害・ものとられ妄想あり
訪問看護で入浴介助:週1回利用
やや難聴あり
Aさんと、長男夫婦と3人暮らし
お嫁さんとAさんに確執があり
多忙(?)のためケアマネの訪問日の指定あり
要支援から要介護に変更により引き継ぎ、数か月です
かかわるバランスが難しい
認知症だから、話してもわからんで!
毎月の訪問の日程を,訪問看護の入浴介助の時間を指定されます
Aさんはいつも別室におり、挨拶だけすると訪問看護師さんと入浴に行かれるためあまり話す時間がない…
家族辛さはしっかり面談するため、よく伝わるのですが、本人の気持ちはほぼわからない…
【チームで関わる!それが重要】
このケースでは、訪問看護さんと役割分担をしていくことにしました。訪問看護師さんは本人の、ケアマネは家族の気持ちや情報を確認し、毎月の訪問後そのまま「情報交換会」をすることで、本人・家族の情報を補い合うようにしていきます
今日はAさん、株の話をしていましたよ!
病状は〇〇で…、歩行の際にも息切れが…
ご家族は〇〇が負担に感じていて…
Aさん以外でも全般に言えることですが、サービス事業所と比較すれば生活の面でのケアマネージャーの関わりの密度が薄くなりがち!
悩んだ時には一人で判断せずチームに相談しましょう
複眼的な捉え方が出来ると本人像をより深く・広く見ていくことができます!
また認知症ケアは粘り強さが要求されることもしばしば
メンバー同士のつながりが強固であれば、それがお互いを支える大きな力となります
一方的に「情報ちょうだい」では関係では築けません
もらった情報がどう生かされるのかフィードバックをするなど、自らの情報提供する姿勢が大切です!
本人の目の前での、認知症状の話!尊厳の保持はどのようにする?
面談の最初と最後にAさんに会って、お話を聞かせてもらうようにしていたら、訪問看護の介入時間ではなく、はじめから本人の部屋で3人で話ができる時間に訪問させてもらえるようになりました
しかし…
おばあちゃんは、いつも水は出しっぱなし!何回もトイレ行って、手を洗うたびに水道に確認に行かなくては行けなくて、本当に大変なんです!1日に何度も行って確認しています
本当に何回言ってもわからないんだから!!!
・・・・・・
一緒に話をしてくれるようになって嬉しいけど、この内容を聞いてAさんはどう思うんだろう…
せっかくみんなで話せるようになったのに・・・
《本人の認知機能の話をする場所は?》
Aさんは脇に置いて家族とばかり話をする…
こんな場面もあるかもしれません。介護者が「この人は何も分からないから…」と本人を目の前にして介護の苦労ばなしを始めてしまうこともよくあります
詳細はともかくとして、話のニュアンスや雰囲気はAさんに伝わってしまうため、「別の場所で…」とか、「後でお電話でその内容を教えてもらえませんか」など、改めて苦労話を聞く機会を作る提案をしたり、そうした姿勢を示し続けることで、家族自身も「本人を尊重しなければいけない」とわかってくれ、ケアマネジャーの役割が理解されてくるのではないでしょうか?
被害妄想をケアするにはどうしたらいい???
息子達に、私のお金を勝手に使われている
財布もどっかにやられた
だから、ここから離れることはできないの
盗られちゃうから
《家族介護者の辛い気持ちを受け止める》
特に物盗られ妄想などは、一番近くにいる主介護者が対象となることが多いため、一生懸命に介護しているのに疑われて、辛い思いをすることも多いといえます
症状についての理解が図りながら、チームの誰かその辛さを受け止める役割を担いたい
その際に注意したいのが、「本人の辛さを置き去りにすること」「悪者扱いしてしまうこと」
BPSD ばかりに注意してしまうと「本人らしさ」や「良さ」を見逃してしまいがち
「家族を思いっきりサポートすること」と「本人の尊厳を守ること」この両立が求められます
BPSB は「居心地のいい環境づくり」や「認知症ケアの蓄積があるサービス事業者に繋ぐ」ことで緩和されることも多いです
いい認知症ケアをしているサービスでは最初は嫌がっても、行くと心地よくなることが多いです
いい事業所を探すをとても大切なことですが、ただ デイサービス などがあまりにも居心地がいいと家に帰ってきてからそのギャップで介護者への攻撃や妄想がより激しくなることも稀にあります
あくまでも 「BPSD の緩和」や「介護負担の軽減」によって「家での生活をしやすくする」ためのケアの一環であることに留意していく必要があります
利用者さんの失ったものを一緒に数える
症状自体の変化は難しくても、「介護者の受け止め方を変えるアプローチ」もあります
例えば、姑の主介護者が嫁の場合…
若い頃は婦人会でも活動されていて料理もとてもお上手だったと聞いています
そんな方が年を取られて、色々なものを失われたりできなくなったりされています
今のお母さんはどのような気持ちなのでしょう?
…など、面接の中で「姑が喪失したもの」を一緒に数えていくことで本人への見方が変わることもあります
たとえ症状が変わらなくてもそれがストレス軽減に繋がることも考えられます
関わりだけで何とかしようとしないで,医療の力を借りることも大切です
適切なお薬を処方してもらうことで症状が緩和されることも多い
認知症ケアには限らないのですが医療と介護の両輪となって支援することが大切であるといえます
まとめ
いかがでしたでしょうか?
認知症の利用者さんと、そのご家族とどのように関わるとより良いのか、考え、調べまとめてみました
「家族を思いっきりサポートすること」と「本人の尊厳を守ること」 の両立は案外難しいもので、耳が遠いふりして、そっと我慢してその場にいる利用者さんもいます
介護保険の根幹となる「尊厳の保持」を、ケアマネジャーとしてどのように支援していくべきなのか考え、ケアマネジャーとの面談時間に「貝になっている利用者さん」の尊厳を守っていきましょう
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