こんにちは!おハムです
みなさんは「御用聞きケアマネ」では絶対ないといえますか?
先日、事務所の先輩に「御用聞きケアマネ」の話題になったときに内容が、「わたしに言っているのかな?」という言い方に感じてしまったので、振り返ることにしてみました
(「御用聞きケアマネだから、利用者さんに好かれる」とかなんとか…)
自分は御用聞きケアマネではないと思っていましたが、「意向を尊重すること」と「御用聞きケアマネ」の境界はどこなのか、自分の支援は本当に「御用聞き」なのか不安に感じてしまいました
※個人が特定されないように内容は一部変更してあります
※このような考え方もあるよという気持ちで見ていただけたら幸いです
登場人物
70歳 女性 要介護5 身障1級 夫と2人暮らし
事故で頸椎損傷後 自宅退院
若々しく、家事も丁寧に行ってきた
夫の家事にダメ出ししたり、自分のできることも《できない》と思い込み依頼
リハビリ意欲が高い
常時、車いすで生活している
事情ありデイケアは今月で終了することになったため、来月より訪問サービス中心
+医療保険で訪問看護・療法士訪問もあり
県内在住
毎週両親の様子を見に訪問している(片道2時間)
両親が心配であり、多くのサービスが入ってほしいため障害での訪問介護が利用できるように申請する
70歳 男性
家事は今までやってこなかったから苦手
畑とパソコンいじりが趣味
ヘルパー社長の勧めで事業対象者となり、包括が担当している
腰痛があるため、洗濯の介助を訪問介護に週3回依頼している
市の障害福祉を担当しています
新しく開業した訪問介護事業所の社長
訪問介護は基本4回/日
夫が移乗介助が上手にできず、腰を痛めているため、定時で排尿の際のおむつ交換等を担っている
1日1-2回の排便の際はAさんが不快なため、都度夫がベッドに移乗介助し交換している
事業対象者として担当しています
先月から介入しています
【訪問介護での利用サービス】:すべて身体介護
・排泄ケア:1日3-4回(直腸障害のため排尿は訪問介護で支援、排便時(2回/日)は夫の介助で行う):限度額で調整し20分訪問で対応してくれている
・シャワー浴:(週3回×1時間)
・料理や洗濯ものなどの家事動作をヘルパーさんと一緒に行う(週4回×1時間)→夫の介護から解放される時間の確保もかねて
障害区分認定を受ける
障害区分5の認定が下りましたので、居宅介護の利用は可能になります
要介護5で、負担限度額からオーバーした分に対して適切な量の訪問介護をケアプランに入れて持ってきてくだされば、それをみて再判定します
現状、ケアプランに記載している内容の中を、予定時間の範囲内でできる分のみ行ってもらっていて、できない部分は夫や長女さんが訪問時にやっている…
ヘルパーさんも長女さんも「時間が足りない」と頻繁に言うけど、どのような支援が不足していて、どれくらい時間が足りないのか確認が必要だな。。。
(…電話にて)
経済的にゆとりはないため、限度額に収まるようにしたいので、私が訪問できる日はサービスを削っている状態です
訪問介護も時間が短くギリギリの中でやってもらっていて、本当はもっとやってほしいことがいっぱいあるのですが父が担っています
(何ができていないのか質問すると…)…爪切りとかかな?
どれくらい足りていないのか確認してFAXしますね!
【ヘルパー社長からのFAX】
・排泄ケア:1日3-4回(直腸障害のため排尿は訪問介護で支援、排便時(2回/日)は夫の介助で行う):20分→30分へ変更
・シャワー浴:(週3回×1時間):継続
・料理や洗濯ものなどの家事動作をヘルパーさんと一緒に行う(週4回×1時間)→夫の介護から解放される時間の確保もかねて:継続
・(12:00-12:30)(17:00-17:30)を週7回追加:食事の準備:生活援助
料理をつくるって…身体介護で「ヘルパーと一緒に家事援助」を週に3回入れるのに?
夫は元気なのに生活援助は可能なのかな?
「家事が苦手」は理由にならないし・・・
毎日、30分出来立ての食事をヘルパーさんに作ってもらうって・・・
そもそもケアプランにのせていないし・・・
どういうことだろう?自立支援ではないと言い切れる
調理もやってくれるってヘルパー社長が言っていたのでお願いしました
???
生活援助を一人暮らし以外で介入できる場合
「生活援助中心型」の単位を算定することができる場合として、「利用者が一人暮らしであるか又は家族等が障害、疾病等のため、利用者や家族等が家事を行うことが困難な場合」とされたが、これは、障害、疾病のほか、障害、疾病がない場合であっても、同様のやむを得ない事情により、家事が困難な場合をいうものであること。
なお、居宅サービス計画に生活援助中心型の訪問介護を位置付ける場合には、居宅サービス計画
書に生活援助中心型の算定理由その他やむを得ない事情の内容について記載するとともに、 生活全般の解決すべき課題に対応して、その解決に必要であって最適なサービスの内容とその方針を明確に記載する必要がある
老企第36号第2の2(6
生活援助を受けるための、「 障害、疾病がない場合であっても、同様のやむを得ない事情 により、家事が困難な場合 」ってなんだろう???
★「その他やむを得ない事情」の例
■家族に高齢による筋力低下があるために、できない家事がある場合
■家族間に、これまでの関係性など利用者の今後の生活に影響を及ぼすような深刻な問題があるために、家事援助が期待できない場合
■家族に家事を行わせることにより、介護疲れによる共倒れ等の深刻な問題が生じることが明らかだと判断した場合
■その他、安全・健康・衛生上の必要性が高い場合など
※ 「家族に対して遠慮があるので、家族には頼みにくい」、「家族に負担をかけたくない」といった理由だけでは、訪問介護の生活援助は算定できません。
夫はヘルパー社長に勧められて、包括支援センターに相談に行って事業対象になったけど、生活の中で何かに困っている感じではない・・・
畑もパソコンも趣味のスポーツクラブ(短時間)も行っているし、自転車も乗れる
現在は配食サービスを利用していて、ご飯は夫が炊いている
「高齢による筋力低下」や「介護負担(共倒れは言いすぎなような…)」をうたえば可能であるとは思うけど、自立支援とは逆に進んでいる…
「1日2回の食事準備の生活介護」について、関係者はみんなどう考えているのかな?
夫は、腰痛があり介護負担が大きいため、毎日2回の食事の準備は問題ないのではないか?
「高齢による筋力低下」や「 介護疲れによる共倒れ 」が該当するのであればいいのではないでしょうか
生活介護で食事の準備は1人分しか作れませんよね?
ほかの一人暮らしの高齢者も、1回の訪問介護で2食分を作ってもらってレンジでチンして食べたり、配食弁当を活用したりしています。
Aさんにだけ出来立てのご飯を1日2回夫婦で食べるのは、サービスの公平性的にどうなのでしょう???
2人分の食事を作る必要性があるようでしたら、自費利用か2人それぞれの生活介護を使うべきではないでしょうか
障害で限度額をオーバーするからといって、サービスを無理やり増やしたところで、障害で担える部分は増やすことができません
じゃあなしでいいです!!!
私はそうゆうつもりじゃなかったので!
意見が分かれました
「法律的な良し悪し」と「通念的な良し悪し」があるように見受けられます
「法律的な良し悪し」ははっきりしている。調理も「訪問介護の生活援助按分」とすれば夫のサービスと調整すれば可能であるといえます
ただ、「通念的な良し悪し」では、介護保険の「自立支援」や「公平性」を考えると適切なサービスとは言えないように感じてしまう
「適切な量」とはどのように判断するべきなのでしょうか
解決する方法はこれしかない
基本に戻って「担当者会議」!
新型コロナ感染予防のため、照会で済ますことが多くなっていましたが、この状況を本人・関係者みんなで共有して、関係者が統一した見解をもって「必要性がある」といえる状況を作るのか、ほかの方法を検討するのか…
結局は食事の準備は配食でまかなえているので、週3回の妻の料理援助(身体介助)で食事を作ることになりました
Aさんは、夫への依存心が強いため「自分は何にもできない」という考えから「自分でもできることがある」と前向きにとらえてもらい、「何でもかんでも夫に頼まない」ことにより、夫の介護負担の軽減につなげていけるように…と、ヘルパーさんの意識を自立支援に繋げることができるようになりました
まとめ
「本人・家族の意向もふまえて」 プラン作成するようことと、本人・家族の言われるがままの「御用聞きケアマネ」の違いを考えながら支援をしていきました
「御用聞きケアマネ」の行動にはケアマネのアセスメントが含まれていないことが一番問題で、利用者さん・家族とだけ相談し見解を他サービスと共有できていないことで露見してしまうように感じます
「自分の考えを明確にすること」「関係者の意見を聞いたり、話し合いの場を持つこと」でケアマネのアセスメントや意見が、「共有の認識」となり、「御用聞きではないケアマネ」と自信をもって言えるようになるのかなと感じました
境界が不明瞭な「御用聞きケアマネ」
自信をもって「御用聞きケアマネではない」と言えるようチームで共有する力の向上を目指していこうと思います
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