
こんにちは!おハムです
病棟看護師からケアマネジャーに移動になり、“確実に服薬をすること”に関する「病院」と「在宅」の認識のズレに正直驚きました
服薬といえば、薬剤師・看護師・医師などが中心に支援しているため、ケアマネジャーは手を抜きがち(私だけかも?)!
ケアマネジャーだからこそできる服薬管理への携わり方について調べてみました
高齢者におけるくすりの問題点
在宅で暮らす多くの高齢者は…
・病気ごとに別々の病院やクリニックを受診する
・それぞれの医師から病気ごとに薬を処方される
それぞれの診療科の医師同士の連携がうまくいかないと情報共有が進まずこれらのリスクを生じる
・重複投薬( 同じ効果や似た効果の医薬品が同時に処方されてしまうこと)
・薬物間相互作用(薬同士の飲み合わせの良くないことなど)
お年寄りの薬の管理は…
①種類が多く飲み忘れが起こりやすい
②加齢により腎臓・肝臓機能の低下により薬効が過大であったり、過小であったりする
③ 視力や聴力の低下嚥下機能の見込み認知機能の問題で管理が難しい
④健康食品やサプリメントも服用している人も多いため飲み合わせも心配
…など、問題はたくさん
ケアマネジャーが全てをまかなうことは難しいため、強い味方である“薬剤師さん”を味方につけるのがおすすめです!!!!
在宅における薬剤師の役割
薬剤師による在宅業務居宅療養管理指導ではこんな事ができます
・薬が決められた通りに飲めているのかの確認
・適切な薬物療法が医師の意図した通りに行われているかを確認する
・副作用が起こっていないか確認する
・飲めなくなった原因を探す(管理困難?嚥下状態の変化で形状が飲みにくい?目的がわからない?認知機能?)
・複数の医療機関から薬をもらっていたり 一般用の医薬品健康食品サプリメント等を使う 使用している場合には飲み合わせのチェックも行います
・服薬管理方法を提案(一包化・カレンダー管理・服薬補助機器・服薬時間の検討)
・錠剤が飲めない場合に、粉砕していいかなどの相談
高齢者の薬の副作用について
肝臓や腎臓の機能低下の程度などにもよりますが、高齢者では若い人よりも薬の副作用が出やすい。 一方、作用は出過ぎたり、出なさすぎたりで予想しにくいといえます
一般的に、 若い人よりも、はるかに高齢者での薬の作用の仕方は複雑です
《薬にかかわる高齢者の特徴》
①臓器機能の低下
心疾患なら心臓が悪いなどと、該当する臓器の機能が悪化していることは理解しやすい のですが、反面、病気でない臓器は “健康” だと思いがちです!
実はそれは誤りで、もともと臓器全体が虚弱化していて、そこにさらに病気の臓器があると、 とらえるべきなのです
②病気へのかかりやすさ
一つの病気に2、3種類の薬が処方され病気が重なるほど薬の種類も増えていくので、相互作用などで臓器に一層負担がかかります
その結果、 もともと機能が低下して予備力のない臓器が悲鳴を上げ副作用が出やすくなります
③ 薬の多剤併用
基本的に薬の種類が多いほど、副作用は現れやすくなります
私は高齢者に新たな症状が出たら、病気を疑う前にまず薬の影響を疑い、 使用している薬のリストを確認しています
「食欲がない、 何となく元気 がない、 どこか歩き方がおかしいなど、はっきりとは言えないがいつもと様子が違う」といった高齢者に何か変化があったときは、常に薬の副作用の可能性も念頭において対応してみましょう
ケアマネに求められる観察と薬に関する情報収集
薬に詳しくはなくてもいいと思います
専門知識 を持つ医師や薬剤師がいるのですから
それよりも、高齢者をよく観察し、本人・家族とコミュニケーションを取って情報を収集することのほうが大切だと考えます
《継続的な観察のポイント・ケアマネジャーのできる服薬支援》
・薬の処方変更があったときの観察が重要!処方変更後に、食事や排泄の様子など、生活の中で何か変わったことはないか確認します。 服用してから数週間後に発現する副作用もあります
・処方薬が変わった後に、食欲がない、転倒するようになった。認知機能が悪化しているなど、何らかの変化が 見られたという連絡をヘルパーや家族などから受けたら、薬の副作用の可能性も視野 に入れ、医療職に情報をつなぐことが大切
・高齢者では、複数の医療機関でそれぞれ薬が出ている例が多い。「調剤薬局は1ヵ所に決め、 全ての薬を管理してもらうのが理想的」だが、現状ではそうした人は少ない。本人にとってメリットがあることだけに、ケアマネジャーからお薬手帳を一冊にまとめるように働きかける(処方せんを持っていくときに、調剤薬局に全ての手帳を持っていくと一冊にまとめてくれるはず)
・その服薬は本当に必要なのか、副作用のリスクを受けてまでするべき治療であるのか、利用者・家族の意向を医療者に伝える
《薬が起こしうるADLへの影響》
【動作・運動機能】歩行・移動動作階段昇降・入浴動作・整容動作・摂食動作・転倒
【食事】食欲不振 ・食欲の異常亢進 ・嚥下障害 ・味覚障害
【排泄機能】下痢・尿失禁・便失禁・頻尿・多尿・乏尿・排尿困難 ・便失禁 ・便秘
【感覚機能】音声、言語障害 · 視覚障害・聴覚障害 · 味覚障害 · 皮膚感覚異常
【精神機能】 失見当識 · 意欲低下・記憶力低下 ・思考力低下・抑うつ不安 ・妄想・幻覚・問題行動・不眠・眠気
【その他】体重増加・体重低下・体温調節異常
まとめ
高齢者は全体的に臓器が虚弱化しているので、薬を使ったら副作用のリスクが、 使わなくても疾患そのものの悪化のリスクがあります
ケアマネジャーには、患者・ 家族に近い立場からその要望を聞き取り、本人にとって何が一番大事なのかを医療者に提示する役割があると言えます
利用者・家族と医療者の思いがずれていたら不幸です
利用者・家族と医療者との間に立ち、橋渡し役を担っていきましょう
治療がすべて、正義であるとは限りません
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