こんにちは!おハムです
一生懸命支援していても、家族が了承されず、「適切である」と思われるサービスを利用してもらえないないことはありませんか?
在宅で過ごしているうちは、他のサービス事業所も理解してくれ問題なかったりするのですが…
急に入院になった場合、「こんな事もやっていないの?」といわんばかりの冷たい視線…(受け手の感じ方の問題かとは思いますが…)
病院で働いていた頃の私も、きっとこの表情をしていたでしょう…
※個人情報保護のため内容は一部変更しています
※考え方の1つとして捉えていただければ幸いです
登場人物
妻と2人暮らしで、こどもは2人とも遠方
86歳 男性
胸椎損傷(C6以下麻痺、膀胱直腸障害、自律神経障害)にて20年前から在宅生活。認知機能の低下はなく、服薬は自己管理
自己導尿・ベッドから車椅子への移動・座位にて食事摂取は可能。この状態は20年ほぼ変化が見られていない
慢性的に腹痛がある
食欲はないため、具なしうどんが好きで1日に少量を2回食べている
80歳 女性
倹約家 両膝が悪いが受診していない
シャワー浴はシャワーキャリーに本人が移動し、
自宅で妻が行う
移乗:本人が行えばいいが、私は介助できません
車の運転:できない
デイケアを週に1回利用されています
リハビリを効果的に行うように(リハマネの算定のために)、週に2回に利用を増やすようにお願いしたのですが頑なに断られてしまい、唯一週1回利用されている利用者さんです
導尿の手技はデイケアで見守りの中実施しており、問題はないです
すごい頑固です
「自宅に人を入れることが嫌い」で、ケアマネと数ヶ月に一回の福祉用具の点検以外には、家に入れてもらえませんでした
サービス担当者会議も、リハビリ会議もデイケアでやっていますが奥さんが参加してくれたことは1度もありません
今は通常のベッドマトレスを使用しています
体位交換をしていないので褥瘡対応のものをオススメしていますが、固いマトレスでないと自身で移乗できないため、硬いマトレスを使用しています
4年前から、前任者に引き継いで担当することになりました
今は本人の希望通り、「自宅に人を入れない」状態で過ごしているけど…
褥瘡もハイリスクだし、移乗動作も今後維持できていくのか不安
でも、本人の意向を受け入れて、20年身体機能が維持できている
自分たちなりの介護生活が確立されている
1年前
最近、来所の際に仙骨の発赤が見られるようになってきました
自身で移動するときに、マトレスが柔らかいと移動できないんです
硬いタイプの褥瘡対応マトレスであれば移動しやすいのかもしれないです
それがねぇ、お父さん(Aさん)が嫌だっていうだよー
お父さんが嫌だって言うとテコでも動かんだよ
ではせめて、クッションをかって、定期的に体の向きを変えるようにしましょう
(…このやりとりが何ヶ月も続きました)
・妻の協力は得られなかったが、マトレスを利用しない代わりに、クッションで定期的に体の向きを変えることを約束してくださる(時間は自身が気になった間隔で…)
半年前
「しばらくデイケアを休みます」と御家族から電話がありました
理由を聞いても教えてくれませんでした
再開の時はAさんから電話してくれるそうです
もともとデイケアやリハビリの意欲がなかったけど、どうしたのかなぁ
それがねぇ、お尻に褥瘡ができちゃって…
お父さん(Aさん)が「デイケアに行くと色々言われるで行きたくない」っていうだよ
デイケアには、お尻の傷が治るまでいかないよ
起きると悪くなる。寝とるほうがいい
(訪問時、創をみると、3cm大で軽度)
1回医師に見てもらって早く治るように薬を出してもらいましょう
これくらいなら、すぐ治るでいいよ
・栄養補助食品のサンプルを持参し、褥瘡の治癒には栄養管理が必要であることをお伝えする
・受診を促すが「コレくらいすぐ治るでいいよ」と希望されず。往診に切り替えてもらうように促すが、「近いで自分で行けるでいいよ」と。
2ヶ月前
(受診について)なかなか治らんでしょうがないねぇ
処置をしていきましょう
訪問看護に入ってもらってください
人に来てもらうのは嫌ったいで自分でできます
今までも私がおむつ交換も処置もやってきました
…そうですか…
ケアマネさん時々見てあげてくださいね
褥瘡が治るまでの間だけでもマトレスを褥瘡が悪くならないタイプに変更しましょう
うーーーん。
…硬いやつなら…
・なかなかできなかった受診:こちらで予約・調整してやっと行くことが出来る
・褥瘡対応マトレス:自動体位変換機能付きや、エアマットは動きにくく、自宅でのシャワー浴などの際の移乗動作ができなくなってしまうため、硬いタイプの褥瘡対応マトレスに変更する
・訪問看護の導入は様子見。ケアマネが2週間に1度、創の確認に伺う
1ヶ月前
(電話にて)
褥瘡が悪くなっとる
すぐに見に来て!
(褥瘡が10cm大になっている、黒色の壊死もあるし、現在の自宅環境での治癒は難しい)
こりゃ入院しんと治らんら?
お父さんも入院するって言っとるし、出来るかやぁ?
入院しんと治らんなぁ
・病院の相談員に連絡し、入院の調整を行う
入院当日
入院前の受診に付き添い、入院時情報提供所を持参する
褥瘡がこんなに大きくなるまでほっといちゃダメですよー!
(…看護師ケアマネなのに…:と言っている気がする)
訪問看護も利用しなかったんですか!!?
(…自分で処置ができると思っているの…:と言っている気がする)
栄養状態も良くないですし…
(…栄養補助食品とか検討しなかったの?…:と言っている気がする)
こちらで治すので大丈夫ですよ
(そんなつもりではないだろうけど…なんとなく責められているように感じてツライ…)
大変な状態でお願いすることになってしまってすいません
よろしくおねがいします
《病院と在宅の考えのズレ》
・病院では、医療職が適切であると判断されたことはすぐに“決定事項”になります
・特に同意書の必要のないような、食事・マトレス・部屋の配置・リハビリの導入などは、患者さんへの了承に重きを置かれないことが多いです
・「褥瘡があったら褥瘡用のマトレスに変更すること」が当たり前
・「体位交換を2-3時間おきに確実に行うこと」が当たり前
・「褥瘡対応のために補助食品などで栄養面の改善を行うこと」も当たり前
・「看護師が介入して処置や定期的に褥瘡の評価をすること」が当たり前
…なのに、ケアマネはそういうことわかならいのかな???
…と、思われてしまいがちであることも知っています(病棟で働いていたので…)
ただ、いくら提案しても「在宅での決定権は医療職のように援助者ではなく本人や家族である」という事実を病院の職員に認知してもらうことはまだまだ時間がかかりそうです
まとめ
いかがでしたでしょうか?
病院と在宅の認識の“ズレ”
病院の職員に在宅での考え方を認識してもらうのには、まだまだ時間がかかりそうです
「理解してもらえなくてもしょうがない」と諦めるしかないのかもしれません。。。ピエン
コメント