
こんにちは!おハムです
《少なくとも1月に1回、利用者の居宅を訪問・利用者に面接・モニタリングの結果を記録すること》は義務であり、実施していないと減算の対象になります
最小限のモニタリングで減算予防をすることも効率的ですが、せっかく実施するのであれば効果的な支援に結び付けたい!
モニタリングはチーム力を活かすことで情報の幅が広がり専門的な見地からの意見も集まります
具体的にはどのように行うことが効果的でしょうか?
変化に対応して行くためのモニタリング
Ⅰ.本人にも環境にも特段の変化が見られず、 落ち着いている時期
①通常のモニタリング(自宅訪問)で、変化の有無を注意深く確認する
②今後起こりうる変化とその際どうしたいかを話題にし、考えてもらうことを促す
今後のリスクマネジメントとして、利用者と一緒に考えていきましょう。
Ⅱ.変化に気づいた時期
①変化の内容とそれが生活に及ぼす影響を明らかにする
②具体的な対応はどうなされているかを明らかにする
③ 本人・家族が変化をどう受け止め、理解しているかを確認する
④変化を受け入れる時間を確保し、対処の緊急性を吟味する
変化に気づいたとしても、すぐにサービスの提案等を行うべきかは慎重に検討し
なければなりません。 緊急性とともに、 変化の継続性についても吟味し、対処の提案時期や内容を検討します
Ⅲ.対応を行う時期
①本人の “実感”に沿った対応を心がける
②緊急性と継続性を視野に入れ、 期間を定めた対応の提案を行う
③短期間で元の状態になる場合を除き(短期間だからこそ、 介護を引き受ける人が出てく ることもある)、 負担が偏らないよう、関係者間で十分な協議と共通理解を図る
必要な介護の期間や内容を吟味しながら、 対応を考えていきます。 今まで介護を担ってきた方がするのか、 サービス利用を含めた新しい介護者を開拓するのか、 関係者間で十分に話し合い、意思疎通を図って決めていきます。
ケアマネジャーが直接見聞きする「一次情報」
ケアマネ:利用者の生活のなかの、本当にごく一部でしかありません
サービス提供者:利用者さんや家族と過ごす時間が長く、その機会も多い。加えて、個別援助計画の評価も行っている
それらの情報をお互いに交換しながら、ケアプランとサービスの質に還元していけそうです!
効果的に情報の交換を行っていくには?
☓:一方的に「情報をください」という
○:ケアマネジャーからも情報を提供する
情報のキャッチボールが必要なんだね
この情報のキャッチボールの精度を高めていくには、サービス担当者会議の機会を利用して、「どんなところが大切か」「どこに注目するべきか」というモニタリングの土台となる、《視点の共有》を図ることが有効!
情報はもらいっぱなしにはせず、《フィードバック》を行うことも大切
「あなたのくれたこの情報がこんなふうに役立った」などの価値を伝えていく。これらを繰り返していくことで信頼が高まっていきます
サービスの特性をいかしたモニタリング
サービス事業所の力をを借りて、チームでモニタリングを行う際に大切なのは、各サービスの特徴を理解することであると言えます。他のサービスで入手できない情報について「○○の情報がほしい」というピンポイントオーダーを出すこともできます
①訪問介護
ケアマネ
多くの介護サービスのなかで、利用者がもっとも普段着の表情を見せるのは訪問介護サービスの利用時であると言えます。また訪問介護は利用者の日常生活の暮らしと深く関わり、たとえば、利用者や家族の介護サービスに対する思いを掴んでいることもあります
・「なんとなく元気がない」など、ヘルパーの「いつもと何かが違う」という気付きはとても重要。重大な異変が潜んでいることもあるため、普段から気軽に情報交換できる関係を作っておきましょう
・家族の状況や関係性の変化について把握しているヘルパーは多い(役割の違いや力関係など)。また緊急時の連絡先など、「こう書いてあるけど実際は○○」なんてこともあるので確認しましょう
・家族が医療処置を行っている場合には、ヘルパーを通じて、その様子を知ることが出来る。また処置をしていることに対する思いなど、心理面についての情報もヒアリングできる
②通所介護
ケアマネ
通所介護は、利用者さんの社会性を観察することが出来ます。他人との接触により、自宅と異なった「強さ」が現れることも多いといえます
また、移動・食事・排泄などの観察と、よりよい介助方法を探すことも可能。入浴介助においては全身状態のチェックも出来ます
・たとえば水分摂取について「主体的に飲めているか」「量はどうか?」「普通雨に飲めない場合、どのようにしたら飲めるのか?」を詳しく聞き、在宅生活に役立てる(食事や排泄についても同様)
・通所介護には看護師が配置されている。病院や訪問看護の看護師よりも比較的連携しやすいこともある。介護士と違った目線で観察をしてくれる。主治医の指示書は通所介護の看護師には渡らないため(ショートステイも同様)、サービスの看護師にとっても、ケアマネジャーからの医療情報は大切な情報源となる
ケアマネ
通所サービスの利用状況を記載した「連絡ノート」は要注意。
デイサービスから「血圧が高いので受診してください」といわれても、連絡ノートの血圧などのデータは正常値のことが多い。
その日の一番いい数値を書きがちのため、医師に診てもらいたいような人には、医師に診てほしい数値を書いてもらうように通所に依頼が必要なこともあります
③ショートステイ
ケアマネ
ショートステイの利用の強みは、睡眠時間を含めて24時間モニタリングが可能な点であると言えます。「ここを観察してきてほしい」などとリクエストしておけば、貴重な収入源を入手することが出来ます
生活リズム・栄養状態・服薬管理などの改善を試し、実行できる場でもあります
・独居の利用者さん等の場合は、24時間の排泄リズムや睡眠リズムなどを把握する絶好の機会になる。排泄があれば、回数や量、形状など詳しく見てもらいましょう
・ショートステイでは薬はちゃんと飲ませてもらえる。たとえば、自宅で服薬管理できない利用者さんの場合、薬を1週間正しく服用した際は、自宅での様子との違いを確認することが出来る
・通所介護同様、昼間は看護師が配置されている。日頃から情報を交換できる関係性を作っておきましょう
⑤訪問看護
Ⅰ.訪問看護の特徴を生かす
訪問看護は医療的な知識だけではなく、利用者固有の健康状況を過去・現在・未来に渡って把握しているといえます
訪問看護からもたらされる「健康状況」「実施中の医療処置・服薬の経過」「生活への影響」「予後予測」などの情報をチームで共有します
看護師には、医師・薬剤師・リハビリ職などのモニタリング情報について、中継・翻訳を行う力があるため、とても頼りになります
Ⅱ.急変時に備える
医療面でのモニタリングにおいて、もっとも重要なのは異変の早期発見と対応です
健康状態の変化には突発的なものもありますが、予測可能なものも多くあります
基本情報や主治医・訪問看護師などから得た予後予測に基づき、起こりうるリスクを本人・家族を含めた、ケアチーム全員で共有し、発症時の対処方法を取り決めて置くことが大切
そうしておけば急変時、家族やヘルパーさんなども慌てずに適切な対応が可能になる
サービス事業所やクリニックにそれぞれFAXやメールでは手間がすごい…
地域のサービスが加入しているコミュニケーションツール(メールやチャットなど)を活用することで共有しやすく、些細な情報でも伝えやすくなります
Ⅲ.病気についての認識を知る
利用者自らの病気や病状の変化をどのように把握しているのかの確認も必要
あらかじめ、利用者の受診を把握しておきその直後に訪問するのも方法の一つです!
「先生は病気のことなんと言っていましたか?」と本人に確認してみましょう
本人・家族に病識があまりない場合にも、毎回確認していくことで意識向上につながります
ケアマネジャーより訪問頻度の高い訪問看護にも同様に支援してもらえれば、効果アップ
Ⅳ.家族が行う医療処置の状況
胃ろうや褥瘡、痰の吸引など、家族が医療処置を行っている場合には、適切に使用や処置ができているのか確認が必要
できていないようであれば看護師などと連携し、アドバイスをもらったり、手技のチェックや評価をしてもらったりしましょう
Ⅴ.服薬情報
利用者の服薬の管理が不十分に感じたら、原因(飲み忘れなのか、副作用が怖いのか、服薬の理解不足なのか)を探るとともに、主治医は把握しているのか確認してみましょう
内服が変わった際にも、本人・家族は認識しているのか、服薬後の体調の変化はないか確認してみましょう
服薬状況については薬剤師との連携が効果的で
Ⅵ.口腔状態
「食欲がなくなった」「硬いものを食べなくなった」「義歯を外すことが多くなった」「口臭がきつくなった」等の場合は、口腔機能をチェックしましょう
かかりつけの歯科医師と連携すれば、様々な情報を得ることができます
訪問対応してくれる歯科も多くあるため相談してみましょう
通所サービスの口腔機能向上加算を活用すると、歯科受診の手間が省け、家族負担の軽減にも繋がります
医療情報の収集方法
①主治医意見書
Ⅰ 診断名
医師による診断名がどのようについているのか確認できます
ケアマネ
例えば、利用者さんに認知症状が出ている場合でも「認知症」と診断名がついているかどうかで、グループホームなどのサービスの対象であるかが変わってきます
「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」など認知症の種類でもケアの方法や今後の経過の予想ができるよ!
Ⅱ 現病歴と既往歴
いつから、どのような治療がされているのかを確認します。経過観察中であれば、症状が改善傾向なのか、寛解(治療を続けながら症状がほぼ消失している状態)しているのか、それとも悪化傾向なのか
既往歴では再発の可能性はないのか
ケアマネ
特記事項・投薬内容・必要なサービスなど情報の宝庫です!
受診の付添や、主治医への依頼する前には一度目を通し、医師がどのような視点で利用者さんを見ているのか把握しましょう。これで“見当違い”は避けることができます
②認定調査票
本人や家族の現状に対する認識の度合いや、持っている情報量などを把握することができます
いろいろな情報を調査員さんが引き出してくれるため、ケアマネも同席して付き添うことで思わぬ情報を得られる場合があります
ケアマネ
すべての医療ケアを理解すると思うと気負ってしまいますが、チームの協力や資料などをうまく活用しすることで把握が容易になります
手元にあるカードをうまく活用していくことで、利用者さんの健康状態を把握し予後予測や急変時の対応の検討に役立てていきましょう
まとめ
ケアマネ
チームで情報交換することの良さをお伝えしてきましたが最後にひとつ注意事項をお伝えします
モニタリングでは「もらった情報を鵜呑みにしてはならない」ということです
これは情報をくれた人物を疑うことではありません。自分が直接見聞きした《1次情報》ではなく、人を介した《2次情報》であると意識することが必要であると言えます
他者からのモニタリングは有用でありますが、客観的なデータなどを除き、何らかのバイアスがかかっているとと考えたほうがいいといえます。「○○と訪問介護さんは言っていた」と、誰がどのように言った情報なのかまで加味して利用する必要があります
利用者さんにとって重要な情報は、ケアマネジャー自身で確認することが大切であると言えます
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