
こんにちは!おハムです
以前紹介したAさんの続報について紹介いたします
このページだけ見てもわかる内容なので安心してください
「自宅で看取りたい」「サービスは利用したくない(お金がない)」「訪問サービスは極力嫌だ(詐欺にあった経験あり)」そんなAさん・御家族の看取りはどうなったのでしょうか
登場人物
Aさん(本人)と長女さんと2人暮らし
…。誰だかわかりませんが、今日はここに泊まっていってもいいでしょうか?
要介護2。認知症(重度)は以前に診断されたが、それ以外に基礎疾患はなく主治医はいない。シルバーカーで軽介助で10m程度歩行は可能
デイサービス週3回、ショートステイ不定期利用していた
母には昔、すごく傷つくことを言われて…
母だから介護するけど、もともと愛情みたいなのはないんです
娘さんは、詐欺被害で財産を取られてしまった過去あり。パートで働いているがAさんの年金頼りの生活で経済的にゆとりがない状態
自分を忘れてしまった母親に対して長生きしてほしいという想いはない。介護を負担に感じているが経済的にゆとりはなくサービスの利用控えがある
前回の経過
2ヶ月ほど前:食事量の低下、日によって歩行ができない日もありオムツでの排泄になった。デイサービスの利用は終了し、ショートステイのみ定期利用することとする
先月:自発的な動作がなくなった。寝たきりによる弊害や急変の可能性あり。褥瘡対策・食事が確実に食べられるようにヘルパー介入・往診依頼を提案するが、娘さんは希望されず
2週間前:高熱あったが、受診する手段がなかった。病状変化時に対応してように、急変時などの検死予防のために往診医を依頼する…
…が、その直後利用中のショートステイで血圧低下し救急搬送される
治療しないと、今日・明日が峠といわれた
家で看取ってあげたいから、家までの体力をつけるために、搬送先の病院で輸血をすることになりました。大腸がんかもしれないとも言われました。
2日後に自宅につれて帰ります
退院日(2週間前):自宅に往診医とともに訪問すると…
よくわかりませんが、先生が来てくれてうれしいです
すごく元気ですね
「大腸がん疑いのため、再び貧血による病状の悪化の可能性」「褥瘡が出来ていたため悪化の危険性」「家族の介護の過負荷」を心配し、訪問看護・訪問入浴を含む様々なサービスを提案したが、「そんなに長くならないと思うから、自分で出来ます」と希望されなかった
4日前
ちょっと危ないと思うんです
今日は帰ったら死んでいるといけないと思って仕事を休みました
昨日の朝は普通だったんです
声をかけてもなかなか反応も乏しいし…
お医者さんを呼んだほうが良いのでしょうか???
自宅に訪問し、Aさんの様子を見に行くと…
来てくだすった
なんとかやっとります
私が声をかけても起きなかったのに…
脱水のせいか頻脈で拍動も弱いけど脈拍の触知も可能。
声掛けに対する反応もある
呼吸も正常
手も足も温かくて、チアノーゼもない
ごく少ないけど水分・ゼリーも摂取できている
まだ大丈夫そうだな
そうなの???
てっきりもう駄目かと思っちゃった
なくなる前の徴候について経過を説明する
口頭のみではなく、webページでわかりやすいものを探しお伝えする
《死が近づいていることのおよその予測》
死亡前1週間以内
1) | トイレに行けなくなる |
2) | 水分が飲めなくなる |
3) | 発語が減ってくる |
4) | 見かけが急激に弱ってくる |
5) | 目の勢いがなくなってくる(注視能力の低下) |
6) | 原因の特定しにくい意識障害・傾眠傾向が出現してくる |
死亡前48時間以内
1) | 1日中、反応が少なくなってくる |
2) | 脈拍の緊張が弱くなり、確認が難しくなってくる |
3) | 血圧が低下してくる |
4) | 手足が冷たくなってくる |
5) | 手足にチアノーゼが認められる |
6) | 冷汗が出現する |
7) | 顔の相が変わる(顔色が変わる) |
8) | 唾液や分泌物が咽頭や喉頭に貯留し、呼気時にごろごろと不快な音が出現する (死前喘鳴) |
9) | 身の置き所がないかのように、手足や顔などをバタバタさせるようになる |
死の三徴候 |
○ 呼吸停止 | 努力性呼吸(鼻翼、下顎呼吸)不規則・徐呼吸がみられ、その後呼吸停止する。 |
○ 心拍停止 | 微弱な頻脈、不整脈、徐脈、脈が触知不能となり、心停止する。 |
○ 瞳孔散大・対光反射の消失 | 対光反射が緩慢になり、瞳孔が固定し、光を当てても瞳孔が縮瞳しなくなる。 |
今の状態を、医師に報告しておきますね
医師に往診に来てもらったほうが、安心ですか?
そうですね。先生が来てくれるのであれば一回見に来てもらいたいです
医師のクリニックに現状を報告すると、「一度見に行きます」と往診してくれることに。
往診の際に、どの様になったら、医師に報告すると良いのか確認してもらうように娘さんに依頼する
先生に確認したら
・「呼びかけても反応がなくなったら連絡するように」
・「気が付かず亡くなった後でも、連絡をしてほしい」
・「夜間は動けないので、夜遅い場合は7時以降に電話ください」
といわれました
当日:昼
実は昨日から、熱が出ているのです
やたら手足をバタバタさせるし
呼びかけても反応がなくて…、でも目はつぶっているけど眼球が動いているのはわかります
尿量も少ないし、熱のせいか手は温かいのですが、足はすごく冷たくて色も真っ青です
手首の脈拍も全くわからない
ただ、医師が休診日だから、この状態で連絡しても良いのか…
そうですね。言いにくいようでしたら私から連絡しましょうか?
うーん。。。
もう少し様子を見ます
当日:夕方
黒くてタラタラした便が出てきました
状況だけでも医師に報告しましょう
でも、先生は休診日だから…
大丈夫ですよ。往診には来れないかもしれないですが、状況だけでも報告しておきましょう。私から報告しておきますね
電話はいつでも出られるようにしていますので、少しでも心配なことがあったらいつでも電話くださいね
夜間は行けないので、夜間に亡くなるようであれば明日の朝に連絡ください
当日:20時頃
今、呼吸がなくなり、亡くなったようです
私、看取ることが出来ました
どうしたら良いでしょう?
本当ですか。。。
医師に連絡してみますね
その後、医師が訪問し、死亡診断書を記載してくださいました
葬儀屋さんに介入してもらい家族葬で見送ると娘さんは話されていました
本当にありがとうございました
最期の数日、しっかり看ることができて満足しています
まとめ
いかがでしたでしょうか?
賛否両論の支援であると思います
ケアマネジャーとして必要であると考えられるサービスをことごとく断られ、自宅で看取りに必須であると考えられている訪問看護の介入も断られ、1人で看取りきった娘さん
倫理的に「亡くなるからという理由でサービスを利用しない」ということが良いこととは思えません
しかし、ケアマネジャーとしてサービスを提案することは出来るけど強要は出来ません
いくら「ケアマネジャーとして必要なケアやサービスを入れるべき」と考えても、Aさんや御家族の理想の看取りをするためには不要であると考えられる場合はあります
現状で娘さんが「やっぱり不安だから病院で看取ってもらいたい」と思って病院に入院した場合、病院の看護師には「こんな状態で栄養も水分もあげない、訪問看護も利用しないで、褥瘡まで作って、どんなダメなケアマネであるか!」と責められる可能性もあります
責められることまですべて受け止めて、堂々と「このような支援しています」と言えるそんな仕事をするようにしています
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