ケアマネジャーという介護を阻害する存在:ケアマネスキルアップ【24】

panoramic photography of green field インテイク
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おハム看護師<br>ケアマネ
おハム看護師
ケアマネ

こんにちは!おハムです

老健を退所する方を新規で担当することになりました

前任のケアマネジャーに対する御家族の気持ちが、強く印象に残ったので紹介させて頂きます

※個人情報の保護のため内容は変更してあります

※考え方の1つとして捉えていただければ幸いです

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登場人物

Aさん

80歳 要介護5 認知症で意思疎通が困難

調子がいいと指示が伝わり手つなぎ歩行が可能

車椅子に乗ってもらうのに何回も促しが必要

奥様

数年前まで近所のデイサービスショートステイを利用していた

入院を期に老健に預けた

過去の自分の行動や周りの対応への不信感を強く持っている

Bケアマネ

老健入所前の担当ケアマネ

おハム看護師
ケアマネ

Bケアマネに支援を断られたため、

老健退所を期にケアマネ担当することになりました

今回は、老健入所前のエピソードです

今回の老健退所までの経過

5年前から重度の認知症を患い負担が大きいため介護申請し、デイサービス・ショートステイを利用していた

介護に疲弊した時にちょうどAさんが体調をくずし入院→在宅復帰を目指し老健に入所した

在宅への生活に繋げられるように3週間に限定しての自宅退所をすることになった

奥様

今後特養を申し込むか、このまま老健で入退所を繰り返し、いずれ在宅復帰を目指していくべきか…悩む

 

老健入所前のケアマネに対する5つのエピソードを話されました

奥様

はじめは介護保険のことは全くわからなかったたので、市役所の人に言われるがまま自宅から一番近いBケアマネ(60代、女性)にお願いしたの

介護のサービスも全くわからなかったから、Bケアマネがいうとおり、Bケアマネと同じ法人のデイサービスショートステイを頼んだの

エピソード1:Bケアマネとの初回面談

奥様

Bケアマネは、はじめてうちに来て、玄関に入る前の段階で「年金はいくらか」とか「貯金はいくらあるのか」って聞いてきたの!

「1000万はないとグループホームは厳しいですね」とか言っちゃって!

誰も施設に入れてほしいなんて言っても、思ってもなかったのに!

本当に失礼!!!!

おハム看護師ケアマネ

Bケアマネさんの居宅事業所は、包括・居宅ともに情報シートをしっかり埋めて紹介してくれます

介入期間が非常に少ない状況であっても、生い立ちから現在までの経過、年金の種類や受給額まですべて情報を記入して渡してくれます

社会福祉士さんがトップの事業所だから、抜かりないなぁ」なんて尊敬していましたが…結構ぐいぐい聞いていくタイプであったようです…

支援に必要な情報であっても、信頼関係が出来ていない状態で確認することによって不信感を抱かせてしまう可能性がある

→初回面談で確認したい場合でも所見でいきなり「あなたの年収は?」と聞くことは失礼。以降やアセスメントの確認の話の流れで自然に聞く。負担減免制度の対象のなるショートステイや施設入所を希望されるときが確認しやすい

アセスメントを行う前に情報収集の目的の説明が不足していた

エピソード2:サービスの選択

奥様

デイサービスを選ぶときも、ショートステイを選ぶときも全部Bケアマネが勝手に、自分の所(法人)のサービスに決めてきた

夫は認知症で、みんなと同じように生活することがストレスになってしまう

もっと、認知症の人でもゆったりすごせるようなデイサービスがあるなんて知らなかった

おハム看護師ケアマネ

ケアマネジャーは「公正中立」の立場で利用者さんや御家族に合うサービスをいくつか提案し、選んでもらうことが基本!

自社の法人のサービス》や、《ケアマネ自身と相性のいいサービス》ばかりを提案するケアマネはNGです

介護サービスの選択は利用者さんに合ったところを複数提案し選んでもらうことが大切

→大規模で各々好みのクラブ活動に参加ができる所、中規模でみんなで一緒にゲームや体操をして過ごすところ、重度認知症に特化したサービスなどを個々に合わせての提案不足

いくつか提案し、御本人・御家族が自ら選ぶことで満足度が上がる。ケアマネが1人で選ぶことで「変な所へ行かされた」と被害者意識につながることがある

エピソード3:サービス変更の希望

Aさん奥様

夫がデイサービスに行くことを嫌がることが多く、デイサービスからも「他の利用者に迷惑をかけている」といわれることがありました

市内在住の娘

母がショックを受けているのを見て、友人が働いている認知症の人がゆったり利用できる他のデイサービスを母に提案したのです

奥様

Bケアマネにデイサービスを娘の勧めるところに変えたいと伝えたんです

そしたら…

うつむいて、目を合わせずにゴニョゴニョ言いながら

Bケアマネ

あそこはよくないから

変更させてもらえませんでした

なにがよくないのか、理由も教えてもらえませんでした

私達には、サービスを選ぶ権利がなかったんです!!!!

おハム看護師ケアマネ

利用者さんや御家族には介護サービスを自由に選ぶ権利も、ケアマネジャーを自由に選ぶ権利もあります

なかには、点々とサービスを変えすぎて、良さが分かる前に変更したいとおっしゃる場合などは様子を見ることを提案することもありますが、今回のように明らかに御本人に合わないサービスであり、合いそうなところへ変更したいという申し出であれば対応する人が多いとは思いますが…

なにか理由があったのでしょうか???

サービスの変更の希望がある場合、理由を確認し必要性があるようであれば早急に対応する

ケアマネの自身の都合や気持ち、多忙さ、法人による縛りはサービスの変更を断る理由にならない

 

エピソード4:誰の味方なの?

前介護サービス職員

サービス送迎の時間になっても、なかなか準備が出来ていないので困ります

奥様

早く起きて準備しても意思疎通が困難で指示が通らないので準備が間に合わないこともあるのに…

前介護サービス職員

集団の不適合や夜間不眠があるので、専門医に行ってもらわないと…

奥様

隣の市の専門医に毎月、介護タクシーで受診しているのに、何回も何回も行くように言われる

なかなか動いてくれないから、受診に行くことが本当に大変なのに…

すでに強い薬を使っていて、ショートステイで症状がひどいの時のために頓服も処方してもらっている

頓服の内服を毎回服用するため、ショートステイの後は本人がグダグダになって帰ってきている。服薬の増量が不安です

前任ケアマネ

薬の増量しないと泊まれません!介護サービスさんの言う通りにしてください

奥様

こちらの負担は誰も考えてくれない…

預かってもらわないと私も倒れてしまいそうだったので、不安でしたが言われたとおり精神薬を増やしてもらうことにしました

あんなに夫をグダグダにさせてしまって、…すごく後悔しています

おハム看護師ケアマネ

御家族は「この不安を受け止めてほしい」という気持ちで電話をしてこられます

「つらい」「こわい」「おかしくなったらどうしよう」などの気持ちを誰も受け止めてもらえない

ただ「聞く」事と、「どのような気持ちで話しているのか考えながら聞く」事は全然違います

「聞く」スキルで信頼関係が格段に変わってきます!

介護サービス側と、利用者側の意見が違う時の対応をケアマネが担うことが多くあります

両者に満足(または許せる範囲の妥協)してもらうWin-Winな解決方法にたどり着く調整をします

実際にショートステイでの対応が大変であったと思います。この状況でケアマネができることは

ショートステイが薬を増やしてほしいと伝えた経緯を御家族に理解してもらうこと

服薬を増やすことに対する不安を受け止めること

どうしても服薬を増やしたくないと意向が変わらないようであれば、その条件でも受け入れてくれる他のショートステイを探すなど、他の方法を検討する

※どちらにとっても味方であり、みんなに良い結果になるように調整している姿勢を見せる

エピソード5:ケアマネジメントサービスの終了

精神病薬を増やし、サービスを利用しながら在宅で生活していましたが、Aさんが体調を崩し入院することになりました

奥様

入院して、寝たきりになったのでリハビリのため老健に入ることになったら

Bケアマネ

もう私とは卒業ですね!

…だって!もう2度と顔も見たくないと思ったの!

ケアマネが変更できるって知っていたら、もっと早く変えたのに!

そんな説明も聞いてないから!

おハム看護師ケアマネ

どのような関係といえど、プロフェッショナルとして対人援助技術を行っているため最期まで気を抜いてはいけません

利用の終了になる場合にも気を抜かず気持ちよく感謝の気持を伝えることで《ラスト良ければ全てよし》となる可能性もあります

狭い地域で仕事を続けていく限り、過去に担当した方の紹介での新規利用が増えていきます

今後の事業所経営にもつながるため、絶対に手を抜かないようにしましょう

ケアマネが交代できることに関しては、契約の時に説明していても忘れてしまう事が多々あります。相性や関係性により「本人や家族にとってケアマネが交代したほうがメリットがあるのかな?」とケアマネが感じたタイミングで伝えると、「ケアマネ自身が担当を変わりたいと思っている」と捉えられる可能性もあります。他のチームメンバーに協力してもらい、「交代も可能だよ」と伝えてもらってもいいかもしれません

まとめ

おハム看護師ケアマネ

今回のクレームの内容は利用者目線の話であり、ケアマネジャー側・サービス側それぞれの言い分があるとは思います

実際に御家族から聞いた情報のイメージで

Bケアマネです

こんなアイコンにしちゃいましたが、実際は御家族の受け取り方の問題かもしれません

ただ、御家族にとってはそれが真実で、そのことを1年以上立っても涙が出るくらい怒れ泣けてしまう状況でした

おハム看護師ケアマネ

ブログの内容はわりと、当たり前で新しい学びがなかった人が多いとは思います

このBケアマネは、15年以上前から地域で働かれているベテランのケアマネでした

そんなベテランが御家族にそのように思われる対応をしているという現実から、自分たちの支援も部分的に切り取ればそのように捉えられる可能性があるのではないかと不安に感じました

「実際に適切に援助する」だけでなく、「家族にもケアマネのせいでこんなつらい思いをしたと思わせない」の両方に配慮する必要があるようです

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