こんにちは!おハムです
このページでは、現役の看護師ケアマネ目線で病院との医療連携について説明します
何となく苦手な病院もこちらがきちんと対応すれば何にも恐くはありません
病院と連携することでどんなメリットが
・医療連携加算・退院退所加算など報酬上のメリットがある
・利用者の退院後どこに注意して対策の支援体制を整えるかを考えるには、入院中の状態変化を知ることが重要
病院によっては医療福祉相談室、地域連携室などの部署に退院支援看護師や相談員がいます!
退院支援看護師が自宅への退院調整を、相談員が転院などの調整を担当するケースが多いよ
多くの病院は相談員は全ての入院患者を把握しておらず、一人暮らしなどの事情で医師が相談員支援を依頼して初めて関わる事が多いです
急性期では入院時から退院を視野に準備を進める病院も多くなっています
ただ早めに連絡を取ってても、急に退院を言い出されることもある
「今の状態で帰るとこうなる」「在宅サービスを整えたいので三日は欲しい」など利用者が安心して在宅生活のため日程の交渉などは具体的にするようにしましょう
病院と上手く付き合うためのマナーは?
ケアマネジャーは対象者の「日常」を、医療機関は「非日常」を支えています
①時間を配慮する
②名前をきちんと伝える
③お互いの視点を大切にする:考えが違うことは当たり前。専門職の意見を聞いて、状況を加味して自分でアセスメントすることが大切
④電話でのマナーを守る
⑤わかり易く伝える
⑥担当者が不在でも対応できる体制を作る
①時間を配慮する
「その用事は、急がなければならないことですか? 」どの程度急ぐ必要があるのか判断して連絡を取ります。皆さん多忙です。電話でも、面接でも、会議でも時間は限られていることを意識しましょう
②名前をきちんと伝えましょう
自分の事業所、名前(フルネーム)を伝えます。名札を着用するなど、相手が名前を確認しやすいように配慮しましょう。ケアマネジャーが、病院に出向くときには、服装にも注意を。身だしなみを大切に
③お互いの視点を大切に
お互いの立場や役割、専門性を理解することが大切です。思いやりを持ってコンタク
トを取りましょう。患者(利用者)のために何を伝えるべきか、相手はどんな情報がほしいのかを考えて伝えます
④電話でのマナーを守ります
用件を簡潔に伝えるため、あらかじめ内容をまとめて連絡を取りましょう。言葉遣い
など一般的なマナーを守ることはもちろん大切。連絡をする時間にも配慮します
⑤わかり易く伝えよう
専門用語は使わず、わかりやすく伝えます。話すときにはゆっくり、はっきりと説明を。文章もダラダラ長いものは、好まれません。箇条書きに記載するなど工夫しましょう。
⑥担当者が不在でも対応できる体制を
緊急時、担当者が不在でも対応できるように体制を整えておきましょう
あなたの職場内のコミュニケーションも大切に
医師との連携は…なんとなく苦手な人が多い…
「医師は多忙」なため、連絡を取ることを遠慮しがち
そもそもどうやって、いつ連絡すれば良いのかわからない
医師への連絡はなんとなく勇気がいると考えることが多いのではないでしょうか?どのようなアプローチをすれば医師との連携が取れやすいのでしょうか?
①挨拶からはじめる
もし、医師に連絡をとって医療的な事柄についてやりとりをするのに気後れしているようであれば、まずは主治医と顔を合わせることだけやってみましょう
名刺とケアプラン・主治医意見書を携え「○○さんの担当ケアマネジャーです」と挨拶に訪ね、今後のコミュニケーションしやすい、顔見知りの関係をつくりましょう
利用者の生活情報はありがたい
…と、言ってくれればいいのですが、忙しいと邪険に扱われてしまう可能性も…
②アポイントをとる
連絡を取りやすい時間帯は「午前の診療時間終了の少し前」「午後診察の少し前」の医師が多い。しかし、いきなり訪ねるのはNG!まずは電話でアポイントをとりましょう
・受付や看護師に要件を伝え、連絡のつく時間帯を確認する
・要件をFAXにまとめてから先に送ってからFAXする
・直接会う場合は「10分ほど時間をいただきたい」など要望しておけば相手にも調製しやすい
・顔を合わせて時に、次回からの連絡方法(FAXやメールなど)を決めておけば、今後のやり取りのハードルもぐっと下がるはずです!
③受診同行について医師の考えを確認する
医師と面談するために行われる方法の1つとして受診の同行があります
医師の中には診療の場であるため嫌がられることもあります
事前に確認できるようであれば直接電話などで確認する。もしくは、受診の場で「○○さんの担当のケア マネジャーです。本日は同席してもよろしいでしょうか?」など、自分の立場と何のために同席するのかを説明した上で承諾をもらうようにしましょう
何も言わずに入っていくことで、面談前に医師に不快な印象を与えてしまう可能性があります
④聞きたいことをまとめておく
ケアマネジャーとのやり取りの中で、医師が最も困るのが…
何が聞きたいのかわからない…
なんとなく「連携をしなくっちゃ!!!」との意識で漠然としたアプローチは、お互いに時間の無駄になってしまいます
利用者の身体状態・生活状態を整理し、何が聞きたいのか・依頼をしたいのかを明確にしておく、自分で調べられることは調べておくようにしましょう
1,簡潔に具体的に聞く:例「○○の方法はありますか?」
2,客観的事実やデータが好まれることを理解する:例「以前は○○であったが☓☓になった」
3,本人・家族の意向や疑問を把握し、うまく伝えられない場合は代弁する
①マナー(アポ・挨拶・診察同行の許可を得る)
②データ・数値をもとに具体的に質問する
③家族の意向が代弁できるように意向を確認する
…これらを踏まえてうまく関係をつくっていきましょう
在宅のお医者さんは熱心でやさしい先生が多いように感じます
最近、クリニックからケアマネジャーに直接電話をかけてもらえるようになってきました。地域の医師との信頼関係作りは積み重ねが大切だと痛感します
訪問看護さんとの連携
訪問看護と連携するとこんな良いことが…
利用者の健康を守るのに不安を感じた場合、状況が許せばチームに訪問看護を迎えることを検討したい
また退院調整の場面では、病院からの医療情報・住環境・介護力・地域資源と総合的なアセスメント予測が求められ、必要に応じ病院に踏み込んだ質問をしたり、根拠を持って「在宅の意見」を言う必要があります。しかし、医療情報や、身体情報の解釈に自身がない場合にその部分の役割も担ってもらうことが出来ます
限られたサービス提供時間では、わからない生活状況を、ケアマネジャーさんから情報を得ることで、利用者に合った個別ケアを行うことが可能になります
訪問看護師さんへのアプローチ方法
優しくて丁寧な看護師さんも多いけど…
何となく高圧的な看護師もいるなぁ
急に難しい言葉を使って…
…あれ、わざとだよね…
いつも忙しそうだし…気持ちがすすまない
①連絡方法を検討する
・多忙であることが多く、担当の看護師に連絡しようとしても繋がらないことが多くあります。担当に伝えられるといいですが、休みなどのもあるため担当以外の看護師や事務員さんに要件を伝え、タイムリーに情報伝達するようにしましょう。時間が経つと余計に言いにくくなってしまいます
・電話や伝達では時間がとられてしまうので、FAXやメール、チャットなどでの連絡を希望される事業所もあると思います
急ぎでない用事であれば、電話以外の方法も検討の余地あり
・時間を見計らって連絡する
・事務員さんがいる場合は伝えてもらう
・電話以外の連絡方法のほうが対応しやすいのか確認しておく
・「脱・紙」が勧められている時代です。電子ツールを活用し、時代に取り残されない努力も必要であると言えます
②伝えたい内容・聞きたい内容を予めまとめておく
電話がつながったとしても、時間をかけて話すことで業務を圧迫してしまい嫌がられてしまう事が多くあります
長いことたくさん話すけど、結局何が言いたいのかわからなかったな
という場面も目にします。ケアマネジャー側が伝えたい内容・聞きたい内容を予めまとめておくと良いでしょう。よくあるケースは、事実とケアマネジャーの考え・感情をごちゃごちゃに伝えてしまうことで起こることがあります
「事実を伝えて、最期に自分の考えを伝える」ことで、相手に正確に情報を伝えやすくなります
③訪問看護報告書に目を通し、すでに受け取っている情報を確認してから連絡する
月ごとに「訪問看護報告書」をくれる事業所が多いのではないでしょうか?担当看護師は毎月時間をかけて報告書で、直近1ヶ月の様子を看護師の判断をつけて報告してくれています
確認する内容がそこに記載されていませんか?
同じことを何度も確認しないようにしましょう
訪問看護報告書の活用
毎月、実績と一緒に送られてくる報告書。
用紙をもらって満足していませんか?
「ケアプランに反映する」、「提案を受けたサービスを検討する」など、有効に活用されていると感じれば、訪問看護も積極的に情報をくれるようになります
医療知識や情報解釈などの専門性の違いで、ケアマネジャーと訪問看護師の予測が違ってくることがあります。そこで、ケアマネジャーが引いてしまったり、最初からチームを組むことを諦めてしまう方も見えます
多くの事例を積み重ねて、実践の中から共有できるものを大事にして、お互いに質の向上が出来たらいいなと感じています
困難ケースなどもあると思います
抱え込まず、特に医療の部分は訪問看護に一緒に考えさせてほしいです
まとめ
病院で働く相談員でさえ、医療のことは全てわかりません
「この情報が重要」という医療職の言葉をどれだけ誠実に受け止め、その都度学べるかが重要だと思います
もし、医療への苦手意識があるようであれば「訪問看護の必要性は?」などと相談員に聞いてもらってもいいと思います
ケアマネジャーさんからの情報は退院に向けた方針を立てるために必要です
相談員さん、退院支援看護師さんは、多くの患者さんを抱えており多忙ではありますが、丁寧に対応してくれる事が多いです
わからないことは素直に聞いて、伝えたいことはコンパクトにまとめてスムーズなコミュニケーションが取れるように心がけましょう
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