
こんにちは!おハムです
先日、私の判断が悪く自宅での看取りのチャンスを潰してしまいました
自分の判断力・決断力の弱さを感じ、反省を込めてお伝えします
みなさんなら、どうしますか???
※個人情報の保護のため内容は変更してあります
※考え方の1つとして捉えていただければ幸いです
登場人物
Aさん(本人)と長女さんと2人暮らし
要介護2。認知症は以前に診断されたが、それ以外に基礎疾患はなく主治医はいない
…。誰だかわかりませんが、今日はここに泊まっていってもいいでしょうか?
母には昔、すごく傷つくことを言われて…
母だから介護するけど、もともと愛情みたいなのはないんです
娘さんは、元夫に莫大な詐欺被害にあい、代々続く財産を取られてしまった。パートで働いているがAさんの年金頼りの生活で経済的にゆとりがない状態
自分を忘れてしまった母親に対して長生きしてほしいという想いはない。
介護を負担に感じているが経済的にゆとりはなくサービスの利用控えがある(地域包括支援センターには情報提供すみ)
段々と食事の量が減っており、自分でトイレに行くことが少なくなり、オムツを着用するようになった
2ヶ月前:虚弱状態
もともとサービス以外の時間は自分の部屋で1人で寝て過ごすことがほとんどであったが、この頃から長女さんが「トイレ行くよ」と促さないとトイレにいけなくなってしまった
サービス利用の日は歩行器で自宅前まで長女の介助で歩行できていたが、日によって覚醒が不十分で、歩くことが出来ずデイサービスをお休みすることが続いた
起きれないことが増えて、キャンセルばっかりになってしまうのでデイサービスの利用はやめようと思います
経済的な理由で車椅子のレンタルは頑なに嫌がる長女さん。車椅子さえあればデイサービスの利用も可能でしたが、デイサービスの利用終了を希望されました(もともとやめたかったようにも見えます…)
車椅子で送迎してくれるショートステイには行くことが出来ていました
ショートステイ利用中に意識消失することがあり、2回連続で救急搬送されたのですが、検査の結果異常はありませんでした
今後の受け入れが可能であるか確認すると…
大丈夫ですよ!急変の可能性を理解していただき、いざという時に電話にでて相談に乗ってくだされば、受け入れは可能です
意識消失は常時臥床しているAさんが、起きて長時間座ることになるため、脳の一時的な虚血の可能性あり《意識消失予防対策》
・寝ている時間が長いため、出かける時間より前から少しづつ座って慣らしてしておくこと
・食後に意識消失が多いので利用前の食事は控えるようにした
・リクライニング式の車椅子での送迎時に変更してくださり、送迎時の意識消失を起こさないように工夫した(…ショートステイのもの)
・普段より水分の摂取を促し、脱水予防するように長女に依頼する
いつ急変が起こってもおかしくない状況
Aさんは判断ができず、長女さんは延命は希望されない
ここで看取ることに対しては抵抗はない
急に何かあった場合、警察の介入+検死の可能性あり。そこに関しては、以前から説明しているが反応が曖昧で…受け入れができていないみたいです
それなのに、往診を勧めても希望されず…
どうしたいのか…まだ頭の中の整理が出来ていない様子
来月再び確認していこう
1ヶ月前:さらに虚弱状態
寝たら寝たまま。全く動いていない状態です
紙パンツに変えて、完全に私がおむつ交換をしています
食事の量は、スティックパンを2本とウィダーインゼリー1本です
褥瘡の危険性:褥瘡マトレスの利用を促す→経済的理由で希望されず✗
食事:長女さんが仕事であるため、昼にヘルパーさんに入ってもらい食事と水分の摂取介助をうながすが→詐欺被害の経験あり、自分が不在時に他人に入られることが嫌で希望されず✗
受診:延命・治療はしなくても、いざというときのために往診医を依頼することを提案→経済的理由により希望されず✗
3日前:高熱
20時ごろ:長女さんより電話あり
明日ショートステイなので熱を測ったら、BT:38.5℃あるんです
車椅子もなくて病院も連れていけないし…
熱があるから…病院もコロナ感染を疑われて受け入れてくれるのか、どこに行っていいのかもわからない…
ウィダーインゼリーは飲むことが出来ています
地域の「夜間・休日対応の発熱相談センター」に電話するように伝え、ショートステイにはキャンセルの電話する
すると、30分後…
30分も待たされて、最終的に「ケアマネさんと相談してください」っていうんです!
熱があるから救急車も対応できないっていわれるし、「救急車はタクシーじゃない」とか怒られちゃうし…
・高熱で救急車に乗ってそのまま入院させてもらえるのか…
・入院がダメだった場合に、車で帰るにしても長女が1人で運転してAさんが1人で座っていることが難しいうえ、車椅子もないため車からベッドまでの移動が大変。。。自宅に連れて帰りベッドまで移動する手段がない
・介護タクシーもこの時間は営業していない
・帰りの手段は検討がつかないがこの病状で自宅で様子を見て、朝起きたら亡くなってしまっているかもしれない
・長女は看取りに「抵抗はない」とは言っているが、検死に対しては反応が曖昧で受け入れられていない
Question1:あなたの選択は?
①救急車を呼んで、そのまま入院させてもらうように懇願する。入院できなかったときはその場で考える
②救急車を呼んで、そのまま入院させてもらうように懇願する。入院できなかった場合ケアマネが介助して自宅に連れて帰る
③ケアマネが訪問し、自家用車で夜間対応当番病院に受診する。入院させてもらうように懇願する。入院できなかった場合ケアマネが介助して自宅に連れて帰る
④自宅で様子見る
現状ウィダーインゼリーは食べることが出来ていると話されるため、長女さんと相談した結果、④今晩は自宅で様子を見るを選択。もしかしたら、朝亡くなってしまっているかもしれないが、病院に連れて行くことでAさんに負担をかけてしまう可能性もある。発熱が続くようであれば 、翌日に受診できる方法を考えることとしました
2日前:微熱
長女さんより電話あり
微熱になりました。受診するのはやめます
ただ、また高熱になったらどうしようかと思うと不安です
車に乗せることも出来ないし…
本来であれば介護タクシーでの受診を勧めますが、意識消失を繰り返していることもあり往診医に依頼することにしました
往診医のクリニックに電話し、2日後に長女さんとクリニックの医師に面談しに伺うことになりました
当日夕方:急変当日・診察中
Aさんが解熱したため、この日よりショートステイを利用させてもらうことが出来ました
約束の時間に長女さんと往診可能なクリニックに集合し、主治医の面談待ちをします
医師に情報用紙を手渡し、これまでの経過を報告します
わかりました。延命は希望はないのですね
どれくらいの頻度で往診しましょうか?・・・
♪♫♪♬♪♪…
♪♫♪♬♪♪…
医師との面談中に、Aさんが利用中のショートステイ担当者から業務携帯へ電話!!!!
Question2:あなたならどうする?
①「もしや急変!?」電話に出る
②「往診の依頼の真っ最中…医師に失礼になってしまう」電話に出ず、診察後にかけ直す
急変かなぁ…ただ診察中だし先生にお願いしている最中だし…
②診察の後に電話をかけなおそう
…では来週、ショートステイから帰宅日に往診しましょう
当日夕方:診察後
医師との面談直後、ショートステイ担当者さんに電話をかけ直す
朝から体調がなかなか改善せず、現状血圧が60mmHgまで低下、四肢末端の冷感が著明で酸素濃度も測れません。意識も朦朧としています
夜間は看護職員が不在のため、いまから自宅に送ります
(長女に電話を変わる)
あっ!!!!すいません!
看護師が「自宅には送れません。救急車呼びます」と言っています
今からですか!?わかりました
…救急車ですか???…わかりました。。。
長女さんとショートステイ間の電話の結果、今からショートステイへ救急車を呼び市内の病院に救急搬送することになったと・・・
延命を希望していないのに救急車に乗って病院に搬送されていく…
Question3:あなたならどうする?
①ショートステイが自宅に送ってくれないならしょうがない。救急搬送を受け入れる
②延命を希望していないのに、何をしに病院に行くの???救急搬送を止め、「自宅へ送ってほしい」と依頼する
③幸いまだ往診医のクリニック前。救急搬送を止める前に、往診医に本日往診してもらえるのか確認する
いつも無理を聞いてもらっているショートステイが救急搬送をと言っているのであればしょうがない…本当は③→②としたいところでしたが、自宅送迎中に亡くなってしまうリスクも考え、長女さんと相談し①救急搬送することを受け入れ、搬送先の病院に家族が駆けるように調整しました
当日夜:救急搬送先から
長女さんより電話あり
夜分にごめんなさい。。。
総合病院に搬送されて、検査の結果:脱水と貧血でした
何もしなければ、あと1~2日の命だと言われてしまった
治療は希望しないので自宅につれて帰りたいが、車椅子もないし私一人だから連れても帰れないし。。。どうしましょう
この時間では介護タクシーも営業時間外なので、連れて帰る手段がありません
そうですね。1日入院させてもらうようにします
明日は輸血をしてくれるそうです
自宅で看取ることにします
それでもいいですよね???
長女さんは仕事があり今までもどんなにAさんの体調が不安定でも休むことはなく休むつもりもないため日中は留守になってしまう。介護力もイマイチ
経済的に負担が大きいので、「入院させたくない」と考えている…
Question4:あなたならどうする?
①自宅介護困難。。。あと数日の命かもしれない。もう少しの間入院させてもらうように提案する
②家族の希望優先!介護タクシーの調整が付き次第、退院をすることを提案する。往診も依頼したところだから
③サービスを調整して、自宅で看取る準備が出来てから退院するように促す
③今後のショートステイは病状が落ち着かないと利用はできません
自宅に帰ってからの入浴などの方法はどうしましょうか?
あと1~2日の命なので大丈夫です
元気な頃から月に一回くらいしかオフロに入っていません
オムツも全部私がやりますので大丈夫です
…帰ってから考えますか・・・
2日後:退院・往診
長女さんの仕事の都合で2日後に退院することになった
退院日に合わせ、クリニックに往診を依頼する
往診時間に合わせてAさんに会いに行くと、輸血の効果が絶大でここ数ヶ月で一番元気
自宅までの体力をつけるために輸血も了承したんだけど、元気になりすぎちゃった…
すごく元気ですね
余命1~2日ではなさそうです
輸血のおかげでHb(ヘモグロビン):5g/dL→Hb:9g/dLまで改善。ただ精査はしていないが、今後も貧血が続く疾患の疑いがあるため再び貧血になる可能性は高い
看護サマリーには「褥瘡」があると
現在の寝たきり状態でのサービスを検討しませんか?
いや。。。
もうすぐ亡くなるかもしれないので…
・・・・・
週明けに再び電話で状況を確認させてください…
まとめ
・ショートステイからの電話の際にAさんの件だと分かっていたのに、診察の場では遠慮してしまい電話に出なかった。そこで電話に対応していれば、往診医に状況を伝えることができ、相談しながら対応を検討する事ができた
・急に判断を迫られると、治療・延命を希望しないのに救急搬送
・治療・延命を希望しないのに輸血
・自宅では介護力がないのに看取り
・サービスを導入する気がないため寝たきりの状態で退院しても、状態に応じた福祉用具やサービスの導入を断られてしまう
みなさんはどのような判断をされたでしょうか?
正直、何が正解で何が間違っていたのか未だにわからないのですが、現時点で上記のようなモヤモヤを抱えています
あの時自宅に連れて帰り、そのまま往診に来てもらい1~2日で看取ることが出来たら、この家族にとってベストであったのではないか…と、後悔が止まりません
どのようにすれば後悔のない(本人や家族、ケアマネ自身も含めて)判断が出来るのか…
「急な判断を迫られた時に、とっさに適切な方を選択する能力」に関しては、場数をこなしていくことが1番だとは思いますが…下記のような方法もあります
【優柔不断と決別する!ぶれずにサクッと決断する3つの方法】
①決断の基準が曖昧 判断の決め手となる「1番大事なこと」を明確にする
②決断の根拠がよわい 「長所」「短所」を明確にする!
③決断に自信が持てなくても “70点”の選択と思えたらすぐに行動する!
今回の件で私は、緊急時に冷静に判断する能力の未熟さを痛感しました
日頃から、判断を早急にする訓練を意識的に行っていこうと考えています
ガムを選ぶときにも「この味でこの効果があるからコレ!」と根拠を持って早急に判断してみようと思います(笑)
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