こんにちは!おハムです
今回は自宅がボロボロで重たいものを搬入すると「床が抜ける」と訴えるAさん
実は地域で有名なクレーマー&生活保護者でした
寝たきりで看取り状態のAさんの「お風呂に入りたい」意向は叶えることができるのでしょうか???
登場人物の紹介
妻と2人暮らしのAさん。末期腎不全で2週間前に、余命2週間で看取り目的で退院される
子供・兄弟もいるが絶縁中
病院が嫌で出てきた!治療も透析もやらんでいい
Aさんは口調が強く、奥様や訪問看護さんに対して大きな声で怒鳴ることがよくある
Aさんにすごく怒鳴られて怒られるがAさんに従順な奥様
お父さんが言う通り!
介入の経緯・初回面談
同様の内容で、地域の包括支援センターからも依頼を受けました
依頼を受けて、自宅に訪問すると…
余命が2週間と言われたから、入浴は諦め毎日、妻か看護師に体を拭いてもらっている
もう何ヶ月もお風呂に入っていない
お風呂に入りたい
《状況》
本人は布団で横になっており、立ち上がることは出来ない
以前に訪問看護の勧めで自費ベッドを搬入したことあるが、部屋が狭く夫婦の強い拒否で導入できなかったと
自宅の浴槽までの移動は出来ない
本人の体格が大きく下肢に力が入らないため、奥さんと看護師の2人での介助でも布団から車椅子に移ることができない
訪問入浴の1択!!!!
夫婦に説明し希望されたため話を勧めていく
当地域に対応してくれる訪問入浴業者は2社
そのうちのB社は布団で寝ている人を入浴させる負担が大きいため…
無理無理無理無理ー!
…と門前払い
もう1社の訪問入浴Cは…
できるかどうかわかりませんが一度現場を見させてもらい一緒に検討させてください✨
…と言ってくださる
訪問入浴事業者との訪問
自宅に訪問入浴の業者さんとともに訪問入浴での入浴が可能であるか確認のための訪問をすると、狭い居室に入れるのかどうかを確認のために持参してくれた浴槽を見て、
こんなに大きいものにお湯をいれるなんて!!!床が抜けるで無理だ
…と、ご夫婦
夫婦の話だと、2戸建ての2階を歩くと粉がパラパラ落ちてくるくらい家が脆弱であるとのこと
さすがに床が抜けたら保証できない
検討に来てくださった訪問入浴Bさんにすごく感謝する
訪問看護さんに2人介入で、妻と3人の介助で自宅のシャワー浴は可能であるか確認すると
無理無理無理!!!!
腰痛めちゃう!
もう入浴する手段がないなぁ
訪問入浴以外の入浴方法の検討
家じゃだめだで、どっかに出かけて風呂に入りたい
末期腎不全で寝たきりでそんな体力があるようには見えない
往診医に相談してみよう
Aさんが行きたいなら良いんじゃないの?
本人の状態を見て、しんどそうだったらやめてね!
あと、血圧だけ気をつけてね
1日座って過ごすことが難しいため、ショートステイをすすめると…
泊まりは嫌だ!入院してもすぐに出てきているんだから!
1日は座っていられない!
ここまでの流れで、なんとなくお気づきかもしれないですが、実はこの方…近隣で有名なクレーマーで生活保護受給中
デイサービスを利用するにしてもトラブルを起こして迷惑をかけてしまうかもしれない
病状も不安定で寝てばかりで過ごしているため、寝たまま入れる浴槽(特殊浴)のほうが安全
トラブルに対しても、病状・体力的にも1日利用は難しい
特殊浴があってで病状が不安定で、しかも短時間の利用。。。
受けてくれるところがあるのか…
うけてくれる所があっても、布団から動けない現状で、玄関も狭くスロープは置けない。家の中も狭く、車いすが通れるのか微妙な幅…どうやって外出するか…
さぁ!みなさんならどうされますか????
自宅から外出する方法の検討
福祉用具業者さんに訪問してもらい一緒に検討する
布団で臥床状態から座ったままいざることは介助で1m程度は可能
《外出方法》
布団→(いざる)→昇降座椅子→スライディングボード→車椅子乗車→屋内移動→出窓から昇降リフトで外へ
・電動昇降座椅子(¥1000/月):床から車椅子までの立ち上がりの補助
・スライディングボード:昇降座椅子から車椅子の移動に隙間があり、いざるのが不安
これは「特殊寝台付属品」のため、モーター付きのベッドがないとレンタルできず。購入しました。
・車椅子(¥650):屋内・屋外移動:通路が狭いためコンパクトに折り畳める
アームレスト・フットレストが外せて、幅が狭く、介助用ハンドルがたためる、介助式車椅子
・移動用リフト(¥1100):玄関からの出入りができないため、出窓から車椅子で出ることができるように
なんとか動線は整えたけど、奥様一人では屋内の小さな段差や、狭さからくる操作ができない…
送り出す介助・朝の病状確認を行い、デイサービスに行けるかどうかの判断は任せてください
通って入浴する施設探し
①トラブルを起こして迷惑をかけてしまうかもしれないが受け入れてもらえる
②普段寝て過ごしており、血圧の変動が予想されるため、寝たまま入れる浴槽(特殊浴)のほうがより良い
③トラブルに対しても、病状・体力的にも1日利用は難しいため短時間利用させてもらえる所(帰りの送迎はタクシーで帰ることを了承済)
④病状が不安定でも受け入れてもらえる所
こんな条件で受けてくれるところがあるのか…
うちの地域には、療養通所介護はない…
そもそも、特殊浴があるデイは2箇所しかない…
あのクレーマーのAさんですか…
うちは、ちょっと…
そのような人を受け入れられるのはウチしかないでしょう!
是非対応させてください
受け入れてくれるところが見つかりました!
このデイサービスEさんに迷惑をかけないように私が出来ることを精一杯やろう
まずは、本人・家族との信頼関係作り
ケアマネに対して「自分のために頑張ってくれているケアマネに迷惑をかけられない」と思ってもらえるように、真摯に丁寧に対応する!!!!(トラブル防止のためにも)
デイサービスEさんに断られたら、受けてもらえるところがない現実を認識してもらうよう伝えました
帰りの送迎までこちらで対応します
ただ緊急時の対応については相談に乗ってください
往診医とも相談し、デイの利用時の緊急時の連絡優先順位や対応などを共有すると、フローチャートにまとめてくださる
プランができたら、自治体の生活保護の管轄の部署にケアプランと利用表(毎月)を届けます
初回デイサービス利用:送り出し
送り出しの訪問看護さんの介入の際に同席し、布団から外出までの動線について説明し、訪問看護師と妻の介助で外出できるか見守る
自宅の通路が狭いため妻のみでの移動は困難ではあるが、看護師と2人であれば問題なく移動出来る
いってきまーす!
初回デイサービス利用:迎え入れ
帰宅時も自宅に訪問し、デイの職員さんと奥さんの2人で布団まで移動できるか動作の確認を行い
これくらいなら大丈夫です
今日は血圧が高くて、浴槽には入れなかったよ。
でもシャワーを久々に浴びて気持ちよかった…
まとめ
結局は3回目の利用で、はじめて入浴できました
そのときに嬉しそうな表情と言ったら…😁
末期疾患がある人にとって、入浴は負担が大きすぎるためケアマネジャーも介護事業者さんにも不安が大きいです
デイサービス導入の際には…
それで死んじゃったら、どうするの!!!?
絶対後悔するよ!
…と、止められ少し考えましたが、デイサービスに行く方法を模索することを選択しました
今は後悔していません
そして現在Aさんは、2週間の余命宣告から4ヶ月経過し奥様と2人で外出できるように、妻1人の介助で屋外にでる練習を行っています
なんとなく、より元気になっているような…(笑)
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