
こんにちは!おハムです
今回は訪問看護サービスの医療保険と介護保険の違いについて説明します
複雑で混乱してしまいますが、理解することで利用者・家族の経済的な負担の軽減につながる可能性があります
訪問看護が利用できる人ってどんな人?
訪問看護は病気や障害をもちながら在宅療養する人は全ての方が対象です
必ず主治医の訪問看護指示書が必要になります
訪問看護は医療保険・介護保険はどう決まるの???
訪問看護サービスは
①介護保険対象の人
②医療保険対象の人
③特別指示書がある人
…に分類されます。しかし自由に選べるものではありません
①《介護保険で訪問看護の対象になる人》
介護認定(要介護・要支援)があり、「厚生労働大臣が定める疾病等」(下記↓)のない人
②《医療保険で訪問看護の対象になる人》
・要支援・要介護認定を受けていない方(赤ちゃんから高齢者まで)
・急性憎悪状態(特別指示書がある場合)
・「厚生労働大臣が定める疾病等」の診断された方(介護保険の認定がある人も含む)
- 末期の悪性腫瘍
- 多発性硬化症
- 重症筋無力症
- スモン
- 筋萎縮性側索硬化症
- 脊髄小脳変性症
- ハンチントン病
- 進行性筋ジストロフィー症
- パーキンソン病関連疾患
・進行性核上性麻痺
・大脳皮質基底核変性症
・パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る) - 多系統萎縮症
・線条体黒質変性症
・オリーブ橋小脳萎縮症
・シャイ・ドレーガー症候群 - プリオン病
- 亜急性硬化性全脳炎
- ライソゾーム病
- 副腎白質ジストロフィー
- 脊髄性筋萎縮症
- 球脊髄性筋萎縮症
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
- 後天性免疫不全症候群
- 頸髄損傷
- 人工呼吸器を使用している状態
③《特別指示書がある人》
• 急性増悪時、終末期、退院直後、がん末期などより頻繁な回数の訪問看護が必要と主治医が判断した場合に医師が発行する
介護保険で訪問看護を利用していて、途中で癌が見つかって末期だったらどうなるのかなぁ?
介護保険で訪問看護をうけていた方の病状が変化し「厚生労働大臣が定める疾病等」と診断される場合は、その時点で医療保険に切り替わります。
医療保険の訪問看護と、その他の介護保険サービスは問題なく併用できます
どのくらいの時間利用できるの?
頻度や時間は
①介護保険の場合
②医療保険の場合
③特別指示書がある場合
…でルールが変わります
①《介護保険の場合》:ケアマネのアセスメントにより判断
・1回の訪問時間は、20分~1時間半まで、いくつかの区分があります
・介護保険の訪問看護は看護師の訪問がメインであり、リハビリ職員の訪問の回数は週3回が最大になります
・必要性があれば2人での看護師訪問、訪問介護との同時訪問も可能
②《医療保険の場合》
・通常週3回まで、1回の訪問時間は30分から1時間半程度、1日に1回まで
・訪問看護ステーションは1か所に限ります(いくつかの訪問看護の併用はできない)
・必要性があれば訪問介護との同時利用も可能
③《特別指示書がある場合》
•週4回以上の訪問看護、訪問診療
• 1日に複数回の訪問看護(気管カニューレを使用している者、真皮を超える褥瘡の者)
• 2か所のステーションの併用
• 複数名の訪問看護
• 長時間の訪問看護
• 訪問看護が医療保険になる
• グループホーム,特定施設への訪問看護
ちなみに《特別指示書》は、
• 1か月に1回 まで、1回14日間
末期の悪性腫瘍の場合、特別養護老人ホームやショートステイに医療保険で訪問することも出来ます
訪問看護はいくらかかるの?(目安)
こちらも、医療保険と介護保険で変わってきます
①《介護保険で訪問看護を利用する場合》:1割負担・限度額内の場合
看護師訪問
・30分未満:470円/回くらい
・1時間未満:820円/回くらい
・1時間半未満:1130円/回くらい
リハビリ訪問
・40分:600円/回くらい
利用する方の所得により、負担割合が2~3割(2~3倍)になる場合もあります
負担限度額上限以上の場合は、上記の10倍の金額が目安になります
新規に訪問看護を利用する場合や、緊急時に利用する場合など、特定の場面で料金の加算が発生します
②《医療保険で訪問看護を利用する場合》
後期高齢者:1割負担の方の場合の目安 ・月4回:4500円/月くらい ・月8回:8000円/月くらい
追加で1回ごとで、+860円くらいが目安になります
医療保険の種類 | 年齢等の要件 |
義務教育就学前 | 月額の2割 |
義務教育就学後~70歳 | 月額の3割 |
70歳以上75歳未満 | 月額の2割(現役並み所得者は3割) |
後期高齢者医療の対象者 | 月額の1割(現役並み所得者は3割) |
難病指定を受けている場合などは料金負担の上限がずいぶん低くなります
訪問看護指示書のルール
指示の種類 | 指示書作成日 | 有効期間 | 報酬 |
訪問看護指示書 | 診療日以外でも可 | 6か月 | 訪問看護指示料 (交付月に1回) 300点 |
特別訪問看護指示書 | 診療日 | 診療日から14日間 | 特別訪問看護指示加算 (原則は月に1回) 100点 |
入院中、在宅療養に備えた外泊中に訪問看護を利用できる人は???
入院中の一時外泊で訪問看護が利用できる場合があります
①特掲診療料の施設基準等・別表第七に掲げる疾病等の者
- 末期の悪性腫瘍
- 多発性硬化症
- 重症筋無力症
- スモン
- 筋萎縮性側索硬化症
- 脊髄小脳変性症
- ハンチントン病
- 進行性筋ジストロフィー症
- パーキンソン病関連疾患
・進行性核上性麻痺
・大脳皮質基底核変性症
・パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る) - 多系統萎縮症
・線条体黒質変性症
・オリーブ橋小脳萎縮症
・シャイ・ドレーガー症候群 - プリオン病
- 亜急性硬化性全脳炎
- ライソゾーム病
- 副腎白質ジストロフィー
- 脊髄性筋萎縮症
- 球脊髄性筋萎縮症
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
- 後天性免疫不全症候群
- 頸髄損傷
- 人工呼吸器を使用している状態
②特掲診療料の施設基準等・別表第八に掲げる疾病等の者
1 在宅悪性腫瘍等患者指導管理若しくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者又は気管カニューレ若し くは留置カテーテルを使用している状態にある者
2 以下のいずれかを受けている状態にある者
・在宅自己腹膜灌流指導管理
・在宅血液透析指導管理
・在宅酸素療法指導管理
・在宅中心静脈栄養法指導管理
・在宅成分栄養経管栄養法指導管理
・在宅自己導尿指導管理
・在宅人工呼吸指導管理
・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
・在宅自己疼痛管理指導管理
・在宅肺高血圧症患者指導管理
3 人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者
4 真皮を超える褥瘡の状態にある者
5 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者
③その他在宅療養に備えた一時的な外泊に当たり、訪問看護が必要であると認められた者
割増料金のかかる人はこんな人
このような場合に当てはまる人は割増料金が発生します
①介護保険適応の場合
②医療保険適応の場合
で内容が異なります
①《介護保険適応の場合》
【特別管理加算Ⅰ(1回500単位/月)】
在宅悪性腫瘍等患者指導管理
在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者
気管カニューレ・留置カテーテルを使用している状態にある者
【特別管理加算Ⅱ(1回250単位/月)】
以下のいずれかを受けている状態にある者
・在宅自己腹膜灌流指導管理
・在宅血液透析指導管理
・在宅酸素療法指導管理
・在宅中心静脈栄養法指導管理
・在宅成分栄養経管栄養法指導管理
・在宅自己導尿指導管理
・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
・在宅自己疼痛管理指導管理
・在宅肺高血圧症患者指導管理
3 人工肛門又は人工膀胱を設置している状態
4 真皮を超える褥瘡の状態
5 点滴注射を週3日以上行う必要があると認められる状態
②《医療保険適応の場合》
医療保険の特別管理加算を算定できます
1)種類および金額
特別管理加算の種類 | 金額 |
---|---|
重症度等の高い利用者の場合 | 5,000円/月 |
上記以外の特別な管理が必要な利用者の場合 | 2,500円/月 |
2)重症度等の高い利用者とは?
重症度等の高い利用者とは、以下のいずれかに該当する利用者になります。
- 在宅悪性腫瘍等患者指導管理
- 在宅気管切開患者指導管理
- 気管カニューレの使用
- 留置カテーテルの使用
3)特別な管理を必要とする利用者(重症度の高い利用者を除く)とは?
特別な管理を必要とする利用者とは、以下のいずれかに該当する利用者になります。
- 在宅自己腹膜灌流指導管理
- 在宅血液透析指導管理
- 在宅酸素療法指導管理
- 在宅中心静脈栄養法指導管理
- 在宅成分栄養経管栄養法指導管理
- 在宅自己導尿指導管理
- 在宅人工呼吸指導管理
- 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
- 在宅自己疼痛管理指導管理
- 在宅肺高血圧症患者指導管理
- 人工肛門、人工膀胱の設置
- 真皮を越える褥瘡
- 在宅患者訪問点滴注射管理指導料の算定
訪問看護を割安で利用できる人は?
①特定疾患医療助成制度
特定の疾患に限り、保険内の医療費を助成し、また医療費助成を通じて患者の病状や治療状況を把握することで治療研究を推進するという、二つの目的を併せ持っている制度です
対象:次の①または②のいずれかに該当する方
①その病状の程度が、定められた重症度分類の程度にある方
②①に該当せず、同一の月に受けた指定難病に係る医療費の総額が、33,330円を超えた月数が、申請を行った月以前の1年以内にすでに3ヶ月以上あった方
その疾患に関する入院・通院・服薬・訪問看護の自己負担分が助成されます
②重度心身障害者医療費助成制度
- 身体障害者手帳1級・2級
- 療育手帳A
- 療育手帳Bの一部
- 特別児童扶養手当1級・2級
- 精神障害者保健福祉手帳1級
…に該当し、所得制限内である場合(各自治体に要確認)、特定疾患以外の医療費の自己負担も助成される
自治体によって違いはあるようですが…医療を受けた場合、窓口で支払った保険診療に伴う自己負担金・保険診療による薬剤費の一部負担金及び訪問看護に係る給付の基本利用料を助成します。ただし、1ヶ月1医療機関につき500円の自己負担金がその月の助成金から差し引かれます。(薬局の保険診療による薬剤費の一部負担金については全額助成されます。)
これらの制度の対象になる人が、自宅でのリハビリが必要であれば「訪問リハビリテーション」よりも「訪問看護」のほうが利用者の負担軽減につながる可能性があります
まとめ
細かい内容でしたが、これらを把握しておくことで、医療依存度の高い利用者さんにとっての最適解を考える材料になります
知っていてお得な知識ですね
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