
ケアマネ
こんにちは!おハムです
認知症のある夫を、奥様一人で介護されているAさんについて紹介します
妻は夫のため自分のために、出来る限りの取り組みをして、認知症の悪化を防止する行動を生活の中に取り入れています
「介護サービスにお任せ」な人が多い中、自分でできることは自分たちで取り組もうと努力されています
みなさんの認知症介護の一助になれば幸いです
※個人情報の保護のため一部内容は変更してあります
※考え方の1つとして捉えていただければ幸いです
サービス利用前の状況
(要介護1 穏やかな人柄 妻と2人暮らし)
妻がいるのでなんにも困りません
お風呂もトイレも自分で出来ます
歩くときも転ばないように必ず杖を持って歩いています
すごい認知症なんです
すぐに何でも忘れてしまって何回も同じことを聞くし、家中のゴミを拾って歩いたり、外を歩いているときには、よその家の草まで取ろうとするから困ってしまいます
危ないから、やめてほしいのに…
以前に転んで入院したこともあるから、目が話せないんです
理解のある職場のため、パートにも夫を連れて行っています
パート先(スーパー)まで、雨の日も晴れの日も週2-3回歩いて通勤している
介護申請の理由・サービスの決定
24時間、365日ずっと一緒のためイライラしてしまって。。。
気にしなければいいともわかっているし、同じことを何回も聞かれるのも病気だから仕方ないとわかってはいるのですが、怒れてしまう…
ケアマネ
奥様はずっと見守りをしているため、負担が大きくなってしまっているようですね
奥さんの1人の時間が作れるようにサービスを利用しましょう
Aさん・奥様と相談し、歩行の不安定さがあり、ごみを拾う姿勢をとるたびに不安になるため転倒予防を目的にした機能訓練や、認知機能のさらなる低下の予防のため、認知機能訓練力を入れているデイケア(通所リハビリテーション)を週に2回利用することを決めました
よくわかりませんが、行ってみましょう
サービスの利用開始
デイケアとの契約・面談、主治医の指示書をもらい利用を開始しました
自宅に迎えに来た送迎車には、奥様の送り出しで素直に乗られ笑顔で出かけていかれました
初回利用の午後に電話がありました
大変です!おハムさん
Aさんですが、奥さんがいないとソワソワしてしまって。
帰りたくてたまらないようで、職員が何回も説明しているのですがすぐに忘れてしまって困っています
奥さんに電話で話して説得してもらいます
利用時間終了までとどまれるかどうか心配です
と奥様の協力を仰ぎ、なんとか利用時間終了まで過ごすことが出来ました。
慣れるまでは根気よく見ていきます
ただ入浴は頑なに断られてしまって出来ませんでした
ケアマネ
入浴は自宅でも出来るので、無理しなくても大丈夫です
本当にすいません…
サービス利用 1ヶ月目
バタバタはしましたが利用の回数が増えるごとに帰ろうとする回数がぐっと減ってきました。入浴も3回目からスムーズに入ることが出来るようになりました
もともと働き者のAさんは、やることがなくなると帰りたくなることが判明
包帯を巻いてもらったり、タオルをたたむなどの仕事を担ってもらっています
すごく助かっています
他の利用者さんの話も楽しそうに聞いてくださっています
みんなすごく優しくしてくれています
行くのが楽しいです
…と、ケアマネには言うのですが…
人には良いこと言うんだから!!
行く前はグズグズして困っているんです
送り出すと安心します
…と。まだまだ時間がかかりそうです…
自宅での認知機能維持のための取り組み
奥様がこんなに大変と感じているのに、デイケアの利用を週に2回にしたのは自宅でも活動をしているからでした
①ウォーキング
・週3回:パート先のスーパーまで歩行2km
・パートのない在宅日:自宅周囲2km歩行
・デイケア利用日:帰宅後に自宅周囲を2km歩行
花を見たり、イルミネーションなど景色を見ながら話しながら散歩する
②内職
妻と2人で数十年も行っている内職
難しい作業は出来ないが簡易な作業はAさんに任せて、一緒に作業する
③仕事
奥様の働くスーパーで、ショッピングカートを整頓したりして過ごしている
サービス開始後3ヶ月後
妻がいるのでなんにも困りません
…とAさんは相変わらず、奥様の対応が良いせいかいつもニコニコされている
私が怒ったときは、Aさんも強い口調で言い合いになることはありますが、以前よりずいぶん減りました
自分の時間が出来るようになって、今まであまりやったことのない花を植えるようになりました
すこし気持ちにゆとりが出来たように感じます
デイケアでも、随分慣れてきてはいますが、未だに時々帰りたくなってしまいます。。。こちらに関しては、大好きな奥さんとの時間のほうが大切なAさんはこれ以上の改善は難しそうです
まとめ
「介護認定を受けたら、介護サービスを利用して、すべてを介護サービスで何とかしてもらえばいい」と考える方が多い中、本人・家族ともに、自宅で自分たちでできる介護予防・認知機能低下予防の取り組みをしっかり実施され、実際に効果が出ている事例でした
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