
こんにちは!おハムです
もともと小児麻痺にて歩きにくさのあるAさん。認知症により意欲が低下しているのですが、体格が大きいため、奥様一人で介護するのは大変です
Aさんは、どのようなサービスを利用して、介護費用はいくらかかったのか紹介したいと思います
自宅での介護を行う一助になれば幸いです
※個人情報の保護のため一部内容は変更してあります
登場人物紹介
何にも困っとらん
うるさい!どっか行け!
はじめて会った3年前から、にこにこしながら文句を言うスタイル
心疾患も患っている。1人っ子の長男は遠方で年に1~2回程度帰省する
体重は72kg。お腹のなかにスイカが入るくらい体格が良い
子供の頃に患った疾患のせいで右大腿骨の骨頭壊死があり、若いときから松葉杖を使用している
そんなこと言っちゃダメ!
家じゃそんな事言わないんだけどね
とても前向きでハツラツとされている奥様。本人と2人でスポーツクラブに通っていたが、本人の認知機能低下、普段寝てばかりいるため全身の身体機能が悪化し、メニューをこなせなくなっていた
Aさん・奥様とはじめてお会いし、一緒にサービスを決める
以前のように、上手に松葉杖で歩けるようになってほしい
家にいると寝てばかりだから、体力をつけるために出かけてほしい
行きたかないけど、司令官様(奥様)がそう言うならしょうがないなぁ
Aさんは囲碁が好きで、地域の公民館の囲碁クラブに所属しており、在宅時にパソコンでも囲碁をやっている
Aさんは夜型人間であるため、いつも昼に起きていた
Aさん、奥様と相談し、囲碁クラブのない日に、自宅からすぐ近くのデイケア(通所リハビリテーション)に週に2回利用することに決めました
朝に起きられないため、行けるところがそこしかなかったのです。。。
サービス開始 1年後:浴槽から出られない事件
入浴は、妻が介助してデイケアのない日は、毎日一緒に入っていたが浴槽から出られなくなってしまった。両股関節の手術もしており、膝も曲がらない。両足とも介助のために触ろうとすると「痛い!!!」と触らせてもらえず
このあいだ大変だったの
夜にオフロに入ったら出られなくなっちゃって
しばらく頑張ったけど全然ダメで。
救急車を呼んで助けてもらったの
だけど、隣市の病院まで運ばれて、夜中に検査いっぱいして朝方に入院の必要はないから帰ってくださいって言われちゃって。すごく大変だったの。
家で浴槽に入れるのは辞めるわ
デイケアの職員と、松葉杖を借りている福祉用具業者さんとで担当者会議
リハビリ
お家のお風呂から出る方法を検討しましょう
動作確認のためAさんに浴槽のなかにすくんでもらうと…案の定出られなくなる
触ると痛がるため、口頭で動き方を説明して動くように促すと…
わかっとる!自分でできる
そこをどけ!!!!
…というがいくら待っても、動けない
らちが明かないため、バスタオルを借りて、リハビリ・福祉用具業者・ケアマネ・奥様の4人で力を合わせて、やっとやっとやっとのことで浴槽から出ることが出来る
もう2度と浴槽には入れないようにします
おそろしい…
しかし、寒い季節のため本人が浴槽に入りたがてしまうため、シャワー浴もやめて、デイケアでのみ入浴するようにしました
サービス開始 2年後:ベッドから起きられない事件
この頃になると、睡眠時間がさらに長くなりました。21時に入眠し、デイケアがないと12時起床。食事をして、そのままリビングのソファで睡眠。起きている時間のほうが非常に短いため、奥様も心配されていました
コロナで公民館での碁会が休止。パソコンでの碁に関しても関心がなくなってしまいました
すごく奥様が頑張って促せば、自宅の周囲を5周程度歩くことを習慣化していたが、それもしなくなってしまった
こんなに1日じゅう寝ていて大丈夫かしら…
ある日、デイケアより電話がありました
リハビリ
先ほど電話で起きてこないからデイケアにいけませんと電話がありました
心配で見に行くと、ベッドの下で仰向きに横になっていました
ちょうどよかった。起きれなかったの
ちょうど近所にいた福祉用具業者さんに協力してもらい、ケアマネ・福祉用具業者・奥様の3人でベッドに戻ってもらえた
倒れても助けてあげようがない。。。
重すぎるから…触ると痛がるし…
転倒した際に起こすすべがない現状。デイケアのリハビリさんも一緒に話し合い、自宅では極力転倒しないように、車椅子の生活にするように環境の調整を行うことにしました
・車椅子のレンタル ¥600/月額
・松葉杖 デイケアの送迎の際や、短距離に活用(もともと利用) ¥100/月
・ベッド+手すり+マトレス ¥1000/月
・もしも転倒した際にベッドや車椅子に戻れるように(保険も兼ねて) ¥1200/月
転倒が続くが…
車椅子での生活にも慣れては来て、意欲の低下はさらに進んでいる
一日中寝ており、自分が起きようと思わなければ介助はとてもできない
車椅子をベッドの近くに寄せて、移動できるときと失敗して横になってしまうことがある
横たわってしまった際には、奥様が昇降座椅子を近くに寄せ、ゆっくり時間をかけて椅子に座り昇降し、車椅子に乗れるようになった
はじめは、要らないなぁと思ったけど、これがないととても起こせない
昇降座椅子はいざという時の保険の目的だったけど、良いのか悪いのか活用できてます
体格が大きくさえなければ、緊急時に駆けつけてくれる介護サービス(訪問看護・訪問介護)を調整するのですが、あまりに体格が大きいので昇降座椅子なしには、起こすことは難しい
昇降座椅子があれば、奥様が声掛けして少し手伝えば車椅子に乗ることが出来る状態
老老夫婦でいつまで自宅で介護できるのかはわかりません
子供さんも、御自身のことでいっぱいで遠方なため対応は難しい状況です
今まで何回か妻の負担を考慮し、施設の入所やショートステイの利用について提案してきたのですが…
一人じゃさみしいじゃない!
私が見れる限りはできるだけ一緒にいたい
Aさんも、奥さんのことが大好きでデイケアの職員の話は全く聞かないのですが
奥様の言うことは素直に聞き入れます
奥様が、「自宅で一緒に過ごしたい」と考え続ける限りは出来る限りお手伝いさせてもらいます
まとめ
昇降座椅子の活用の事例でした
日常的に使用するというよりは、転倒した際の【保険】の役割が大きい活用方法でした
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