こんにちは!おハムです
このページでは、現役の看護師ケアマネ目線での医療療養型病床について説明します
いざというときに使えるサービスを知ることで今後への不安を減らし、人に言われるがまま決めるのではなく御自分や御家族らしい、いい老後を迎えてほしい
そう願っております
某田舎の平均価格の目安 1割負担 | 自立 | 要支援 1~2 | 要介護 1~2 | 要介護 3~5 | 認知症 | 看取り | |
介護老人保健施(老健) 個室(22万/月額) 多室(15万/月額) 入居時:なし | ☓ | ☓ | ○ | ○ | ○ | ○ | リハビリして在宅に戻る |
介護医療院 個室(30万/月額) 多室(18万/月額) 入居時:なし | ☓ | ☓ | ○ | ○ | ○ | ○ | 医療が必要な長期入所 |
介護療養型医療施設 個室(30万/月額) 多室(18万/月額) 入居時:なし | ☓ | ☓ | ○ | ○ | ○ | ○ | 医療が必要な長期入所 2024年3月閉鎖 |
医療療養型病床 多室(10~20万/月額) 個室(19~20万/月額) 入居時:なし | 医療区分2.3に該当するか |
療養型病院(医療療養病床)って何?
入院病床の1種で医療保険での長期間の療養を目的としている
慢性期(病状が安定している時期)の患者を対象とし、医療ケアやリハビリのサービスを行う
病床分類
分類 | 役割 |
---|---|
精神 病床 | 精神科の患者が入院するための病床 |
感染症病床 | 感染症に関する法律において指定された感染症患者が入院するための病床 |
結核 病床 | 結核患者が入院するための病床 |
療養 病床 | 長期にわたり療養を必要とする患者が入院するための病床 |
一般 病床 | 上記以外の患者が入院するための病床。一般病床には、緩和ケア病棟、集中治療室(ICU)、ホスピス病棟などの病床も含まれる |
設備・機器について
一般病床は病気の発見・診断・治療を実施するため、多くの機器や設備を導入しています。検査室・手術室も充実です。
療養病床は療養に必要な設備・機器しか導入していません。手術室も存在しない病院もあります。長期利用する人が多いため、病室や談話室は一般病床よりもゆとりある広さです
療養型病院(医療療養病床)の対象ってどんな人?
医療区分2~3などの医療必要度の高い人を対象にしています
(24時間点滴・人工呼吸器・酸素療法などの管理が必要な人や、該当の疾患や症状がある人)
医療区分とは患者の医療の必要性を評価するための指標
3つの区分があり、医療区分2・3に該当しない場合は医療区分1とします。
医療区分3:療養型病院(医療療養病床)の対象
疾患・状態 | 医療措置 |
---|---|
スモン、医師及び看護師により、常時監視・管理を実施している状態 ※状態により医療区分2に分類 | 中心静脈栄養24時間持続点滴人工呼吸器使用ドレーン法、胸腹腔洗浄、発熱を伴う場合の気管切開、気管内挿管感染隔離室における管理酸素療法を実施している状態肺炎等の急性増悪により点滴治療を実施している状態 |
医療区分2:療養型病院(医療療養病床)の対象
疾患・状態 | 医療措置 |
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筋ジストロフィー・多発性硬化症・筋委縮性側索硬化症・パーキンソン病関連疾患・その他の指定難病・せき髄損傷(頚髄損傷)・慢性閉塞性肺疾患(COPD)・疼痛コントロールが必要な悪性腫瘍・肺炎・尿路感染症・リハビリテーションが必要な疾患が発生してから30日以内・発熱を伴う脱水・頻回の嘔吐・体内出血・褥瘡(床ずれ)・末梢循環障害による下肢末端開放創・せん妄の兆候・うつ症状に対する治療を実施している状態・暴行が毎日見られる状態・酸素療法を実施している状態 | 透析発熱又は嘔吐を伴う場合の経腸栄養 頻回の喀痰吸引(1日8回以上)気管切開、気管内挿管のケア頻回の血糖チェック創傷(皮膚潰瘍、手術創、創傷処置) |
医療区分1:対象外(介護医療院が対象)
- 医療区分2、3に該当しない人
療養型病院(医療療養病床)はいくらかかるの?
医療療養病床の入院費用は、月額の目安は10万~20万円です
・入院医療費:44000円
・食費:41400円
・住居費:9600円
・保険外料金(病衣・タオル・オムツなど):60000円
目安の月額合計:155000円
おむつ代・病衣代・タオル代などは自己負担です
おむつ代などは病院によって違うので、病院によって価格に差があります
個室を希望する場合は個室料が発生するケースがあるため事前にご確認ください
療養型病院(医療療養病床)にお得に入れる!特におすすめの人ってどんな人?
医療保険での入院のほうが安くなる可能性のある人とは…
医療保険での入院のほうが安くなる可能性のある人とは…
■自治体による医療費助成制度(公費負担)の対象となる人
・乳幼児医療費
・義務教育就学児医療費
・未熟児医療費
・ひとり親家庭
・生活保護受給者
・心身障害者(重度のみ)
・精神障害者
・特定の感染症による入院
・結核の医療費
・公害健康被害の医療費
・自治体が独自に設定する難病の医療費
・特定の疾患の医療費(例:B型・C型肝炎のインターフェロン治療など)
(詳しくは、「難病情報センター」で検索すると病名がわかります)
■人工呼吸器または体外式補助人工心臓を装着している
・・・・・・指定難病や小児慢性特定疾患などが原因の場合、自己負担 限度額がさらに軽減されます
これらの医療制度を活用することで入院の費用負担がぐっと軽くなる場合があります
例えば、難病指定を受けている場合、所得と障害の度合いや期間に応じて上限額が決まってきます
(難病/長期/入院/1割負担/夫婦年収370万未満の場合の目安)
・入院医療費:5000円
・食費:41400円
・住居費:9600円
・保険外料金(病衣・タオル・オムツなど):60000円
目安の月額合計:116000円
4万円もお得!!!!
療養型病院(医療療養病床)はどんな人が対応してくれるの?
・医師:当直あり
・薬剤師
・看護師及び准看護師:夜勤あり
・看護補助者・介護士
・栄養士・診療放射線技師・事務員・理学療法士・作業療法士など
入院・転院するまでの流れ
急性期の病状から落ち着き、慢性期になった際に療養型病院(療養病床)を検討すると思います。入院・転院までの流れを紹介しましょう
①主治医へ相談
医療療養病床への入院がご本人の状況に適しているか主治医へ相談します。主治医の了承があれば、入院する病院を検討します
病院選びは、現在入院中の人は退院後の暮らしも支援する「地域医療連携室」 在宅で探す場合はケアマネジャーや地域包括センターの相談窓口に相談してみましょう
②必要書類の提出
希望の病院が決まれば書類を提出します。病院によって提出書類は異なりますが主治医が作成する「情報提供書」は必須です。複数科目を受診している場合は、各医師に情報提供書の作成をお願いします
③医師とご家族による面談・書類審査
医師とご家族の面談を実施します。入院判定は面談と書類に基づいて審査します。ご家族が不在の場合は、成年後見人が面談を実施します
④医師による入院決定
受け入れ可否の連絡があります。受け入れ可能な場合は、利用開始のおおまか時期を聞きます。空きの病床がない場合は待機が必要となります
⑤入院
療養型病院の生活がスタートします
まとめ
褥瘡や、酸素・血糖測定など医療ケアが必要にあると、介護保険施設では受け入れが難しい場合があります
医療療養病棟は病院であるため、制限が多く、生活の場とは言い難い環境です
医療療養病棟に入ることで、医療区分2.3で他の介護施設よりもぐっと経済的負担が下がる人には最適な選択肢であると言えます
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