こんにちは おハムです
このページでは、現役の看護師ケアマネ目線での訪問マッサージについて説明します
いざというときに使えるサービスを知ることで、今後の不安を減らし、
人に言われるがまま決めるのではなく御自分や御家族らしい、いい老後を迎えてほしい
そう願っております(*^^*)
訪問マッサージってどんなサービス?
訪問マッサージは、「あん摩マッサージ指圧師」が患者の自宅等に訪問して行う医療上必要とされるマッサージのことを言います
訪問し、マッサージをすることで… ・脳梗塞や脳出血で麻痺や拘縮がある人のための関節可動域の維持や拡大 ・むくみやしびれがある人のための血液やリンパ液の循環の改善 ・強度なコリや疼痛がある人のための痛みや筋緊張の緩和 ・筋力の維持や向上を行います
ちなみに訪問マッサージは介護保険サービスではありません
そのため、介護認定の有無は問いません
訪問でのマッサージを受けるには、医療保険を使うマッサージと、
医療保険を使わない全額自費で行うマッサージがあります
訪問マッサージが利用できる人ってどんな人?
マッサージ屋さんまでいくのが面倒だから、訪問できてほしいな
通常のマッサージ(訪問・来所かかわらず)は誰でも利用できます
ただ、医療保険でマッサージを受けられる人は限られています
医療保険が適応 できる場合 と できない場合の違いは何?
医療保険で訪問マッサージを利用するには、「医療上マッサージが必要」という医師の同意や診療が必要となります
お医者さんの判断次第ということなのね
このような場合に、医師からの同意が得られることがあります
- 脳血管障害(脳梗塞・脳出血など)や頸椎損傷などによる筋麻痺
- パーキンソン病やリウマチによる拘縮
- 脊柱管狭窄症による歩行困難や腰痛
- 寝たきり、日常生活が困難な症状
- …変形性脊椎症、骨折後遺症、膝関節症、種々の難病等、内科・外科等病名は何であっても、結果として筋力の低下や関節拘縮(関節が固まった状態)のため機能障害をきたし、日常生活動作に大きな支障をきたしている状態で、機能回復訓練等を必要としている人
マッサージを訪問でやってもらえる人はどんな人?
医療保険を使わない自費利用であれば、マッサージさんに訪問の体制が整っていれば可能です
医療保険を利用する人で訪問マッサージが利用できる人は
1)歩行困難等
2)安静を必要とする場合等
と大きく2つのケースがあると述べております
「歩行困難」とはいろいろ疑義のあるところですが、現在では御本人が、家族や介護者(介護タクシー等の乗り降りの介助も含む)に頼らず、独力で自ら公共交通機関(バス・電車)を利用して、または独歩では医療機関に通院できない状態という判断となっております
訪問マッサージはいくらかかるの?
医療保険が適用される場合
《医療保険が適応されない全額自費利用の場合の目安》
施術時間:30分/回
料金:施術料+往療費(交通費)
通常1部位340円(※)、交通費2,300円(片道4kmを超えたら2,700円)
- 例:自己負担が1割で、5部位のマッサージを受けた場合
1,700円(340×5部位)+2,300円=4,000円
利用者の自己負担は4000円
医療保険が適応されない場合
《医療保険が適応される後期高齢者医療費負担の1割負担の場合》
- 例:自己負担が1割で、5部位のマッサージを受けた場合
1,700円(340×5部位)+2,300円=4,000円
利用者の自己負担は400円
- 重度障がい者で医療費の免除を受けている方はそれが適応されます
マッサージ師によって料金設定はさまざまなので、施術料、材料費、往療費(交通費)などの内訳をよく確認して利用するようにしましょう
医師が作成する書類
訪問マッサージを自費で利用する場合は、患者との個人契約となるため、医師の同意書は不要です
医療保険適用での利用には医師の同意書(診断書)が必要となります。これは、マッサージを行うことで病気の改善に有効と同意するいわば処方箋のようなものです。
また、訪問マッサージの利用に期間の制限や回数制限などはありませんが、続けたい場合は3か月ごとに医師の同意が必要になります
医療保険を適用するときは傷病名が必要になるため、それは医師のみが診断できる権利があることから、同意書が必要になります
訪問マッサージはどんな人が自宅に来てくれるの?
就業としてマッサージが行える「あん摩マッサージ指圧師」の資格をもつ人が訪問してくれます
訪問マッサージを受けるまでの流れは?
- かかりつけ医に相談
- ケアマネジャーまたはかかりつけ医に訪問マッサージ師を紹介してもらう(もしくは自分で探す)
- 訪問マッサージが訪問して初回相談(患者の状態・医療保険の確認)
- 医師が同意書を発行
- 訪問マッサージ利用開始
受診の際に、医師に相談しOKがでると
訪問マッサージの先生が書類をもらいに行ってくれることが多いです
マッサージの先生から書類を託されて、受診の際に渡すように依頼されることもあります
インターネットで地域の訪問マッサージを検索できるサイトもあります
ただし、医療保険外でのみ施術を行うマッサージも多いため確認が必要です
施設に入所中の方でも利用が可能です
施設等(有料老人ホーム・特養・ケアハウス・グループホーム・福祉ホーム等)に入所している場合は施設のケアマネジャー・相談員さんに相談してみて下さい。施設の場合は提携の医療機関が往診に来ている場合が多いので、依頼をすれば比較的速やかにサービスが受けられる事が多いです
訪問リハビリテーションとの併用
訪問マッサージと訪問リハビリテーション
なんだか同じようなサービスに感じませんか?
訪問マッサージ(医療保険適応) | 訪問リハビリテーション | |
マッサージの目的 | 関節の動きや疼痛の改善 動作機能の回復など | 日常生活の自立を助けるための 体の機能を維持、回復 |
対象者 | 寝たきりや歩行が困難で通院できない人 | 要支援・要介護者 |
サービス提供者 | あん摩マッサージ指圧師 | 理学療法士等 |
保険 | 医療保険 | 介護保険、医療保険 |
該当する病状・疾患等 | 筋麻痺、運動機能障害、筋委縮などの症状やその原因となる病名 | 「介護保険」は疾患の種類は問わない(65歳以上) 「医療保険」は20の「厚生労働省が定める疾病等 |
医師が作成する書類 | 医師の同意書(診断書) | 医師の指示書または診療情報提供書 |
両方とも、身体の機能の改善を目的にするけど
訪問マッサージは関節の動きの改善、痛みを緩和が中心:「気持ちがいい」
訪問リハビリは、日常生活動作の自立を目指しているよ:「がんばる」
訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションは介護保険サービスになります。介護保険ではリハビリテーションの併用について厳しく、回数制限もあります
そのため、リハビリテーションを受けたい人にとって、訪問マッサージを利用することでメリットがあります
1)メニューの選択肢が増える
2)介護保険の限度額外で受けられる
3)PT(理学療法士)等の行う訪問リハビリと併用して行える
4)PT(理学療法士)等の行う通所リハビリと併用して行える
5)有料老人ホーム・特養・その他の施設(老健・医療機関はNG)の介護保険限度額を消費しないで行える
結論
条件(医師からの同意書がもらえる・一人で通院できない)さえ揃えば、マッサージを自宅で行ってもらえるとってもお得なサービスになります
ただ、医師の一存によるため、医師が「マッサージに医療保険は使うべきではない」と考える場合は適応であると考えられる疾患であっても、不適応になってしまいます
医師に相談し、マッサージがあることによってどんなに良いメリットがあるか説明していく必要があると言えます
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