こんにちは おハムです
このページでは、現役の看護師ケアマネ目線での訪問入浴介護サービスについて説明します
いざというときに使えるサービスを知ることで、今後の不安を減らし、人に言われるがまま決めるのではなく御自分や御家族らしい、いい老後を迎えてほしい
そう願っております(*^^*)
訪問入浴介護ってどんなサービス?
自宅の浴室で入浴するサービスではありません
自宅の浴室で、入浴の手伝いをしてくれるサービスじゃないの?
…と、驚かれる方が見えるのではないでしょうか?
ヘルパーさんが自宅に訪問して自宅の入浴で入浴をする
お手伝いをするのは“訪問介護です”
⇓ちなみに訪問介護の詳細はこちら⇓
では、訪問入浴介護とは、どのようなサービスなのでしょうか?
訪問入浴介護とは、看護師1名を含めた3名(または2名)のスタッフが自宅に訪問し、持参の専用の浴槽を使って入浴をサポートしてくれる介護サービスです
入浴が大変な方でも入りやすく作られた浴槽に寝たまま入り、全身を洗います
サービスの内容
- 入浴前:体温・血圧・脈拍などの測定
- 入浴など:当日の体調に合わせて、入浴・部分浴・身体拭きのうちいずれかを実施
- 入浴後:衣服の着脱介護・健康チェック
寝たきりの人の入浴は危険がつきもの!
安心して入浴出来るように必ず看護師が体調を確認します
訪問入浴の所要時間
訪問入浴の所要時間ですが、準備から片付けまでを50分前後かかります
浴槽や水ってどうするんだろう…
入浴に使用する水は、一部タンクに入れて持参する場合もありますが、全量を持参することは難しいため基本的には自宅の水道水を使用することになります。御家族での温めは不要です
また入浴に使用したお湯は基本的に自宅の浴室・トイレで排水を行います
浴槽は分割して持参し、居室で組み立てをする事が多いです
訪問入浴が利用できる人ってどんな人?
訪問入浴介護を利用できるのは、居宅で生活を送る、「要介護」と認定された人です。
ここでいう「居宅」には、自宅のほか軽費老人ホームや有料老人ホームなどの居室も含みます
どんな人が訪問入浴介護を利用するの?
・寝たきりのため、自力での入浴が困難
・自宅の浴槽が狭く、家族のサポートだけでは入浴が困難
・体調の変化が激しく、看護師のサポートがある中で入浴をさせたい
…といった方にお勧めしています
デイサービスや泊まりのサービスなどで入浴できる人は
そちらでの入浴を希望される人が多いです
《訪問入浴を受けるには次の条件を満たす必要があります》
・要介護(1〜5)認定を受けている方
・医師から入浴を許可されている方
※要支援(1〜2)の方の「介護予防訪問入浴介護」では、居宅に浴槽がない場合や、感染症などの理由から他の施設における浴室の利用が困難な場合などに限定して、訪問による入浴介助が提供されます
訪問入浴介護はいくらかかるの?
要介護1~5:入浴(全身):1260円くらい
半身浴・足浴など:880円くらい
体拭き:880円くらい
要支援1~2:入浴(全身):900円くらい
半身浴・足浴など:640円くらい
体拭き:640円くらい
※要支援者向けの訪問入浴(介護予防訪問入浴介護)は「要介護にならないため介護予防をする」という目的があり、可能な限り自力で行うことを重視していることから、スタッフの人数も少なく要介護の方よりも費用が抑えられています
※介護保険1割負担の場合の自己負担額です(2・3割負担の場合×2倍・3倍になります)
⇓費用に関する話の詳細はこちら⇓
どんな人が自宅に来てくれるの?
訪問入浴当日は、看護師1名・介護スタッフ2名の計3名(介護予防訪問入浴介護の場合は看護師1名・介護スタッフ1名の計2名)が訪問入浴専用の浴槽を乗せた「訪問入浴車」でやってきます
サービス利用のながれ
1.要介護認定の申請要介護認定申請書に記入のうえ、市区町村の担当窓口に申請します
2.訪問調査し、市区町村から介護サービスを利用する本人(被保険者)へ郵送で通知されます
3.介護支援専門員(ケアマネジャー)の決定要介護1以上の場合は、居宅介護支援事業所にケアマネジャーの選任を依頼します
4.ケアマネジャーと面談しケアプランを作成します
5.実際にサービスを受ける訪問介護事業所と直接契約を結びサービスを利用します
6.訪問入浴介護サービス利用開始
⇓詳細はこちら⇓
訪問入浴介護の利用当日の流れ
健康状態を確認し
全身浴・部分浴(洗髪、陰部・足部などのみの洗浄)・身体拭き などのうち、
最適な方法を選択する
↓
脱衣・お湯の準備
↓
ベッドから浴槽に移動し入浴開始(または部分浴・清拭を行います)
↓
上がり湯(入浴の仕上げにシャワーでお湯をかけます)
↓
浴槽からベッドに移動
↓
着衣・健康チェック
↓
片付け
ウチは部屋が狭いから難しいかも…
浴槽を部屋に運びいれますが、2畳〜3畳ほどあれば可能なことが多いです
ところで部分浴ってなんだろう…
全身浴ができない場合は、シャワーなどで体の一部をお湯につけることができます。これを「部分浴」と呼び、洗髪や陰部洗浄、手・足だけの入浴を楽しむこともできます
看護師さんが来てくれるから、訪問看護でやってもらっているようなことも
聞いてくれるかな?
看護師同伴ということで、医療行為をしてもらえると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、訪問入浴は、看護師であっても「痰の吸引」「摘便」「褥瘡(じょくそう)のケア」といった本来の目的(入浴)とは異なる医療行為はできません
できることは「健康チェック」「湿布の張り替え」「軟膏の塗布」など、健康状態の確認が中心です
いいサービスの選び方は?
数の多いサービスではないので、選択肢は少ない事が多いです
サービス事業所によっては入浴後の「保湿ケア」「爪切り」「シーツ交換」などのサービスを行ってくれます
介助してもらっての入浴に抵抗を感じる方は、少しでもスムーズに入浴ができるよう「スタッフの性別指定ができるか」「利用者とスタッフの相性は良いか」確認してみましょう
中には、マイクロバブル(超微細気泡)などの特殊な入浴を提供してくれる事業所もあります
ケアマネジャーや、介護経験のある知人、地域包括支援センターなどに実際に利用している人の感想などを確認してみると良いでしょう
まとめ
入浴は人が生活を送る上で大切な行為です。寝たきりの場合や家族だけで介助が困難な場合でも、最低限の負担で入浴できるサービスが訪問入浴です
医療行為は行えなくとも看護師のサポートがある中で、入浴支援をお願いすることにより、日頃から介護をしている家族の不安も大きく軽減されることでしょう。
まずはケアマネージャー(要支援の場合は地域包括支援センター)に気軽にご相談ください
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