
こんにちは!おハムです
特定事業所加算を算定している事業所には必須のおおむね毎週の会議!
みなさんは辛い会議になっていませんか???
特定事業所加算の取得の要件の会議とは
特定事業所加算の(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)(A)を取得している居宅支援事業所ではこのように定められています
《利用者に関する情報又はサービス提供に当たっての留意事項に係る伝達等を目的とした会議を定期的に開催すること》
➡ア 議題については、少なくとも次のような議事を含めること。
・現に抱える処遇困難ケースについての具体的な処遇方針
・過去に取り扱ったケースについての問題点及びその改善方策
・地域における事業者や活用できる社会資源の状況
・保健医療及び福祉に関する諸制度
・ケアマネジメントに関する技術
・利用者からの苦情があった場合は、その内容及び改善方針
・その他必要な事項
イ 議事については、記録を作成し、2年間保存しなければならないこと。
ウ 「定期的」とは、おおむね週 1 回以上であること。
特定事業所加算を取得していない事業所は事例検討会は不要なのでしょうか?
こういう理由で事例検討会は行っていません!
《カンファレンスを開かない理由》
・1~2人の少人数の事業所だから
・それぞれがベテランのため、任せているから
・いそがしいため開催する時間がないから
・気になるケースや困難ケースでは開いているから(すべてのケースで開く必要はない)
・とりあえずサービスが回っているから大丈夫
1度も利用者個々のマネジメントの状況を検討しなくて、事業所としてのケアマネジメントの質が担保されるのでしょうか?
ケアプランは担当ケアマネジャーのプランではなく、事業所のプランです
ただ指摘だけされたり、ひたすら説教を受けるような検討会ならやりたくないな
長い時間、経験談を聞かされるのも辛いし。
みんながストレスなく、効果的な事例検討会にするにはスキルやルールが必要なようです
参加者の役割
司会者:「進行役」としての役割のほか、円滑に進めるファシリテーターとして役割を担う
①事前に事例提供から 提出された事例に目を通し、事例検討会を円滑進行する方策と、落とし所を考えておく
②進行順の提示と時間管理を行う
③参加集中できるとともにリラックスして発言できる雰囲気をつくる。
④あらかじめ定めたルール徹底図り、事例登場者や事例提供者を非難したり自分意見を押し通そうとしたりする発言などを是正する
⑤発言明確なときは論点明確にする
⑥意見をまとめ、参加者で共有してもらう。
⑦参加の専門スキルを知っておき、必要に応じて専門知識(医療や制度など)の補足説明を促す
⑧質疑応答により検討内容を広げ、深め、核心を突くアセスメントへの舵取りを行う
⑨ 検討会終了時は振り返り、明日からの業務に役立つようにまとめる
事例提供者
① 事例検討シートを事前に作成し、検討してほしい内容 (「事例テー マ」と「事例提出理由」) を明確にする
②当日は、悩んだこと・失敗したこと、 自分の気持ちなどを包み隠さずに開示していくのが望ましいが、 開示したくない部分があれば、 事前に司会者に知らせておく
検討メンバー
①質問は一問一答で端的に行う。
②司会者に促されない限り、自分の意見を述べない。
③守秘義務など検討会のルールを遵守する。
記録
①ホワイトボードに板書する際には、ビジュアル化 (ジェノグラム・エコマップの活用、生活歴の年表化など)を心がける。
② 検討会終了後、ホワイトボードを撮影し、日時、参加者、検討テーマ、検討成果などと一緒にファイリングし報告書とする。
カンファレンスの手順
ルール・時間などあれば先に説明します
①事例紹介(アセスメント)
1)検討してほしいこと
検討してほしいことを「事例タイトル」 と「事例提出理由」で端的に伝える
2)基本的情報
フェイスシートやケアプラン第1表の内容などを伝える
3)支援の経緯
経緯を 「時系列」で、また事例検討に役立ちそうな追加情報も伝える
①事実のみを伝える : 自分自身の情緒的な感情を 抑え、事実を的確に伝えます。
②多くを語らない: 長くても10分程度を目安とするなど、 所定の時間内に伝えます。 「言い足りない」 程度の感覚で大丈夫です。
③時系列に沿った説明を行う : 支援経過のほか、 生活歴についても、疾病の進行や家族関係の変化など時系列に沿った伝え方をします。
《これはNG》
母親なのに介護に協力的ではありません
自分の価値観や主観を入れている
“舵取り役”という認識が大切!
司会者は、参加者の理解度を測り、状況に応じて、事例提供者の説明の足りなさを補います。
「援助者目線」に偏りすぎないように視点を変えていくように舵取りします
②質疑応答で理解を広げる(アセスメント)
③質疑応答で理解を深める(アセスメント)
《質問のコツ》
1)一人一問で質問する
参加者全員の力を合わせることで、事例の理解が進みます。 最も聞きたいことを質問するようにします
2)指名されたらできるだけパスしない
パスが続くと「事例をもっと理解したい」という空気が薄れてしまいます。 パスは避け、主体的に参加しましょう。
3)質問には自分の意見を交えない
質問を行う時間帯には、自分の意見を交えないようにします。 意見や考え方を聞きたい場合は、司会その旨を伝えます
「ファシリテーション」とは、会議やグループなどの集団活動が円滑に進み、成果が上がるように「支援」することであり、スキルアップを 目指す事例検討会の司会者には、とりわけファシリテーション機能が求められます
《これはNG》
司会:母親が仕事を辞めたのは、1年間の限定なら介護を頑張ることができると思ったからでしょうね。
→自ら解答を言っており、しかもその解答は推測の域を出ない
利用者の現在と未来は、 過去から続いています。
生活歴を知ることで「本人の力」が再発見できるのです
参加者は、生活歴をさまざまな角度から質問しながら、事例提供者の回答を板書係がホ ワイトボードに整理していきます
●生活歴の収集でわかること
・本人固有の考え方、価値観、 趣味嗜好
●現在の言動の背景
・本人固有の生活パターン (ライフスタイル)
・危機に対する肝の据わり方、慌て方、自力での乗り越え方、助けの求め方
・課題を認識する力と解決する力
人生の楽しみ方、人の愛し方、 それらのカ
・人生の終わらせ方の意向
参加者が事例提供者に意図的な質問をし、事例提供者の気づきを促します
参加者が事例提供者に意図的な質問をし、事例提供者の気づきを促します
①利用者の気持ちを思い描く
「どう思ったのだろう」 「どう感じているのだろ う」 など、利用者の気持ちを思い描きながら質問 を繰り出し、 情報を深めていきます。
②事例提供者を責めない
支援経過のなかで、 「なぜ、そうしなかったの か」「あの時、これをしていれば」 と思うことがあ ります。 だからと言って責めれば、 事例提供者の 口は重くなり、 必要な情報が得られなくなるだけ で、議論は深まりません。
④課題を絞り込む(アセスメント)
本人と援助者の “ギャップ”に注目する
事例を読み解いていくと見えてくるものがあります。 その1つが「利用者本人から見える景色」です。その景色と「援助者が見ている景色」 との違い(ギャップ)に「課題」が潜んでいることが多く、それが発見できると 「課題の明確化」が実現します。よく言われる 「フェルトニーズとノーマティブニーズの違い」も、このギャップに当たります
フェルトニーズ:体感的、主観的で「~したい。」という心の奥底の本人自身の
願望、希望のこと
ノーマティブニーズ:「どのようなケアが必要か」を専門職が情報収集し、見立て「必要を見極める」こと
⑤計画のアイデアを出す(プランニング)
《利用者が居合わせないなかでのアイデア出しの注意点》
①深い利用者理解が前提:自分のことを語ることができる本人がいないからこそ、深い理解が必要です。
②利用者をコントロールしない:修正を検討するのは「援助のあり方」 であり、利用者の暮らし方ではありません。
事例検討会における「手立て」 の検討は、「 画のアイデアを出す」 → 「計画の優先順位を決める」という段階を踏むのが効果的です。そのためには、「事例の理解」 が十分に進んでいることが大前提となります。
課題の明確化は1つに絞り込むことが難しい場合もあることは前述しました。 「課題」 を検討メンバーで共有したのちに、まずは、自由に、柔軟に 思いつくままにアイデアを募ります
最低3度は事例を振り返ることになります。
(1回目) 提出する事例を選び、 事例提供シート を記入するとき : どのように事例に向き合ってきたのかを内省します。
(2回目) 事例紹介のプレゼンテーションをする とき: 参加者にわかりやすく伝えようとすることで、事例の個別性が浮かび上がります
(3回目) 質疑応答で質問に応えるとき : 今まで意識しなかったことを 「そんな見方もあるのか」 と再発見することがあります
アイデアを出す際のポイントを3点紹介します
◎ 「既成の枠(介護保険サービス等)」 にはめない
本人独自の生き方を 「既成の枠」 に封じ込め自由な発想でアイデアを出しましょう
◎ 「あるべき姿」 は、 利用者が考えるもの あるべき姿は、 本人が考えるものです。 自 選べるような観点でアイデアを出しましょう
◎ 「その人らしさ」 を押しつけない これもまた、本人が考えるものです
《これはNG》
「普通は、〇〇しますよね」
⑥計画の優先順位を決める・振り返り・まとめ
参加者から募った計画のアイデアをホワイトボードに書き出し、事例提供者は実行に移したいものを選び出していきます。 選択にあたっては、これから実践に臨む事例提供者の自由意志を優先します。 選択が終わったら、事例提供者が実行する順番を決めていきます
どのような事例を選べばいいの?
《事例検討会に提出するにふさわしい事例》
◎現在進行形の事例
・「きつい」と感じている事例
・新たな展開に差しかかった事例
・突破口が見つからず、 自信がもてない事例
◎終了した事例
・振り返る余裕がなかった事例
・納得がいかず、引っかかりを感じている事例
・虐待の発見や介入が遅れた事例
こうした事例は、いわゆる 「成功事例」 ばかりではありません。 だからこそ、 事例提供者は勇気 をもって、開示する必要があります
事例検討会でのNG行為
事例検討会でのNG行為
①利用者目線を忘れる:援助側の意向だけで話を進めていませんか?
利用者を置き去りにした検討は、「援助者側はよかれと思うのに、利用者が同意しない」 という事態につながります。 事例検討の大前提に「利用者理解」があることを忘れないようにしましょう
「このときにはどう思ったのだろうか?」と本人家族の目線になって、「出会い・インテーク」からの支援経過を振り返ることが大切!
②レッテルを貼る:「わがままな利用者」「非協力的な家族」などレッテルを貼っていませんか?
レッテル貼りは、援助者側の身勝手な論理です。 「援助の行き詰まり」を利用者や家族のせいにせずそれを打破するための方策を検討し続ける姿勢が大切
生活歴、家族・環境との相関関係 (ジェノグラ ム・エコマップ)、 1日の過ごし方、 趣味・ 嗜好など、対象者を「人」として理解しましょう
③「手だて」を急ぎすぎる:アセスメントを深めることなしに、 支援の手立てばかり検討していませんか?
事例検討会の利点は、多様な視点からアセスメントが深まり、問題の本質がわかることにあります。それゆえ、形ばかりの質疑応答では有効な「手立て」が見つからない難しい作業です。問題の本質を絞り、それに対する対策を考えましょう
④当初の検討課題を変えない:変えても良いんです!
事例検討が進み、アセスメントが深まると、利用者の別の面が見えたり、新たな問題が見つかったりします。そこで、検討を有意義に進めるには「検討課題」を変更するなどの柔軟さが必要です。
検討会が進行し、 新たな気づきが生まれたと感じた時点で、
(事例提供者に)事例提出理由を変えますか?
などと確認してみる。柔軟に変更してOK!
⑤体験談を押し付ける:悩める事例提供向かって、 自分の体験談を押しつけはNG
事例の個別性を軽視した体験の押しつけ有効解決策つながりません。 「一つの事例につ いてみんなで頭をひねるから実践が上がる」という「事例検討会の価値」を半減させます
事例検討会の参加者は、「全員平等」であるともに、「見立ての最中は、解決の提案は行わない」というルールをつくる
⑥事例提供者を非難する:事例提供者に批判的な言葉を発していませんか?
事例提供者は、勇気をもって支援経過を開示しています。 誤った対応がわかったからといって非難するのは非礼であり、 提供者を防御的にして検討会を不毛にします
「事例提供者の失敗を非難しない」をルール化し、 飾らずに報告したり、「わからない」と言っても許される雰囲気をつくる
⑦サポーティブを誤用する: 褒め合うだけの検討になっていませか?
サポーティブであるが求められる事例検討ですが、 専門職として至らなさを開示する事提供者の間違った対応まで称賛しては、 レベルは向上しません
間違った対応が明らかになったとき、非難するのではなく司会者、 または司会者の承認のもとに参加者が正しく指摘する
まとめ
いかがでしたでしょうか?
突かれるばかりの辛い会議であると、誰にも認識されないようにいい会議を作っていきましょう!
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