こんにちは!おハムです
“何のために支援経過記録を作成しているのか”が曖昧では、業務的作業に陥りやすい
支援経過記録がなぜ必要なのかを一緒に考えてみましょう
支援経過記録(第5表:「居宅介護支援経過」)に何を書いている?
日常的には自分のノートや手帳に書き溜めて、月末になると記憶を頼りに思い出して書いているという方の声をよく聞きます
事例検討会のために、支援経過記録の提出を求められると、書き直しのために時間を費やしたり、「参考になることはないので出せません」と断られるケースもあります
支援経過記録がないと、公式の記録としてファイリングされていないため、担当者の不在の際に責任を持って対応できない状況になってしまいます
ざっくばらんに何でも書いてしまっている支援経過記録ですが、どのようなルールがあるのでしょうか?厚生労働省の居宅サービス計画書標準様式及び記載要領をもとに読み解いてみましょう
モニタリングの記録・プランの評価
モニタリングを通じて把握した①-④について記載する
①利用者やその家族の意向・満足度
②目標の達成度
③事業者との調整内容
④居宅サービス計画の変更の必要性等
なお、モニタリングを通じて把握した内容ついて、モニタリングシート等を
活用している場合については、例えば、「モニタリングシート等(別紙)参照」
等と記載して差し支えない。(重複記載は不要)
ただし、「(別紙)参照」については、多用することは避け、その場合、本表
に概要をわかるように記載しておくことが望ましい
※ モニタリングシート等を別途作成していない場合は本表への記載でも可
つまり、ケアプランの実行状況を観察・評価し、ケアプランの見直しの必要性があるかどうかという視点でまとめていきます
半面、それぞれの枠に何を書くかなどのルール等が通知されていないため、利用者の家族の主観、専門職の客観、専門職の判断が第三者がみてもわかるように、記録が必要な帳票です
※ケアプランとは、第1-3表、第6-7表をケアプランと呼び、ケアマネジャーはその説明・文書同意・交付の義務があります
私は効率化のため、選択式の台本を作って、読み上げ音声入力することで記録時間の時短をしています
事実とケアマネジャーとしての判断、ケアプランの修正の必要性の有無が明確なっているか確認しましょう
ケアマネジメントにおいての支援経過記録は、「ケアマネジメントプロセスを確認し次にへの展開を明らかにする文章」であるといえます
第5表「居宅介護支援経過」の役割
・ケアマネジメントを推進する上での判断の根拠の記録
・介護報酬請求に係る内容等の記録
・介護支援専門員が日頃の活動を通じて把握したことや判断したこと
・持ち越された課題など
ケアマネジャーの定義である「連絡調整等の役割を果たし、利用者等への適切な介護支援の提供を保証する(法第7条5項)」ために記録する帳票であるといえます
そのため、これらの内容を記録する必要があります
記録の手段や内容を時系列で誰もが理解できるように記載する
・手段(「訪問」(自宅や事業所等の訪問先を記載)、「電話」・「FAX」・「メール」(これらは発信(送信)・受信がわかるように記載)等)
・ 日時(時間)、曜日、対応者、記載者(署名)
・ 利用者や家族の発言内容
・ サービス事業者等との調整、支援内容等
・ 居宅サービス計画の「軽微な変更」の場合の根拠や判断
客観的な事実や判断の根拠を、簡潔かつ適切な表現で記載!
・利用者と家族の認識の違い
・利用者と家族がお互いに知られたくないと思っている内容
・情報量が少なく確定できない内容
・ケアプランの作成や変更に必要な内容も第5表に記載します
ケアマネジメントの根拠となる記録になるため、
・目的を明確に!
・実施内容は残しておく
・判断に差が生じやすい、あいまいで抽象的な表現は避ける
簡潔かつ適切に誰もが理解できるように表現する
漫然と記載するのではなく、項目毎に整理して記載するように努める
・ 文章における主語と述語を明確にする
・ 共通的でない略語や専門用語は用いない
・ 曖昧な抽象的な表現を避ける
・ 箇条書きを活用する(時間・場所などが、不明確となりやすいため注意!)
私に多い、誤字脱字にも注意が必要です
丁寧語や敬語は省略可能!
ケアマネジャーにとって記録をする目的は???
1)やった、やらない等の訴えられたときの証拠を残すため
記録がなぜ大切なのかと確認すると、まずは護身のためという返答が帰ってくることが多いと思います。医療・介護現場での記録はその部分が大きいように感じます
2)記録を書かないと実地指導などや監査で指摘され減算されないようにするため
モニタリングの記録や、初回プランの際に自宅に訪問し利用者と面談してアセスメントしないと減算になります
3)ケアマネジメントスキルの向上
①ケアマネジャー自身のため:ケアマネジメントスキルの向上
②利用者のため:自立支援を促進する
③ケアチームのため:チーム力を強化する
①ケアマネジャー自身のため:ケアマネジメントスキルの向上
ケアマネジャーは要介護・要支援状態にある高齢者に対して“自立支援”を目的としてケアマネジメント業務を行っている。しかし、支援を開始してみると予定どおりの効果が、見られないこともよくある
このときの原因を利用者に転嫁したり、サービス事業者のせいにする前に専門職として要介護に至った原因分析が不十分でなかったか、方針が曖昧でなかったか、これらを自己検証しなければならない
この自己検証の手がかりになるには支援経過記録であるといえます
自立支援に向けた意図的・計画的なアプローチが本来の業務であり、ケアプランは支援の結果の合意事項をその時々に記述した確認書になります
訪問の時になぜか家族とだけ話をしてきたのか、利用者は部屋のどこで何をしていたのか、声をかけた時にどのような返事をしたのかなど記録を振り返ることによって、利用者への働きかけを変えたり、調整すべき課題を再発見することが出来る
②利用者のため:自立支援を促進する
①の結果現れるのものと、その他に利用者自身の自助努力や家族の協力等、インフォーマルな支援の変化をケアマネジャーが見逃さず、励ますことによりさらに促進される
この状況を支援経過記録を残すことにより、有用な自立支援のデータとなる
③ケアチームのため:チーム力を強化する
関係機関からの報告や、ケアマネジャーからの依頼や確認事項が記録されているが、漠然とした記録にとどまり、ケアチームの力を強化する意識が薄い
いつも介護事業者報告を受ける一方通行や、ケアマネジャーから依頼や確認が発信されているが、チームのメンバーである医師にはほとんど連絡をとっていないことなどである
支援経過記録はチームを強化するために何をすべきかを示唆してくれる
まとめ
いかがでしたでしょうか?
なんとなく記載している支援経過記録に実際、何をどのように書くのか明確に示されていました。せっかく記載するので、その記録をもとにケアマネジメントスキルの向上に繋げていきたいですね!
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