
こんにちは!看護師ケアマネのおハムです
看取りが近くなると医療中心のケアになりケアマネジャーの出来ることは限られてしまうと考えているケアマネジャーは少なくありません
ケアマネジャーならではの支援あります!!!
看取りの際にどのような支援ができるでしょうか???
ケアマネ
看取りが近づくと、自分たちの「存在がなんとなく薄くなる」ように感じます
ケアマネとしてどのように関わればいいのでしょうか?
・常時ケアマネジャーが最前線で動く必要性はありません!
・訪問看護・薬剤師・主治医が全面に関わり、さらにケアマネジャーが関わりをもって、利用者・家族との信頼関係を構築することで、利用者⇔家族間の残された貴重な時間を奪ってしまう可能性もある
ケアマネジャーができる看取り支援
死期の近づいた方に対するケアマネジャーが出来ることや強みを認識してみましょう
ケアマネジャーだからこそ出来ることがあります。のではなく、自分たちの出来ることや強みを認識してみると出来ることが見つかるのではないでしょうか
①直接的なケアをしない強み→利用者と対等に関わることができる
直接的なケアをするサービスと違って、訪問中のすべての時間をベッドの横にいて、本人の語る苦しみを静かに聞くことだけに充てられる唯一の職業と言えます
直接的なケアを行うと、「援助する人」「援助される人」の関係になりがちです
援助側がそうならないにしても、本人は「世話になっている」と感じます
直接的なケアを行わないケアマネジャーは対等な関係になれる存在です。対等か否かは本人が決めることですが、対等な人には内面に巻きおこるさまざまな思いや感情を吐き出すことができます
②人生の最終段階に有益な情報が提供できる
死にまつわる種々のことは、家族間ではなかなか尋ねられないことがしばしばあります
ほどなく死が訪れることがわかっていても、臨終のその時まで「死」はタブーであったりします
本人と家族の間では死はタブーであっても、第三者であるケアマネジャーなら両者とも聞きやすい対象であることが多いでしょう
必要な情報を家族に配慮したまま届けることができます
③適宜、必要なサービスを提供できる
状態が日に日に変わる中で早急に対応し、短い間だけでも役に立てるサービスを提供できることは、援助的なコーディネートを本業とするケアマネジャーだからこそ可能となります
④チーム全体を見渡すことが出来る
直接的なケアを担当しない立ち位置だからこそ、ケアチームで起こっていることに注意深く目を配り連携の不具合を修正することができます。ケアをどれだけ一生懸命に頑張っても、四季が近づいていることは変わりません。家族もまた同様です。そんな人達の心の叫びを聞く役割はケアマネジャーが適任です
⑤ケアマネジャーがいるから在宅での看取りが出来る
終末期医療の考え方の変化や在宅における緩和ケア技術の向上、診療報酬上のインセンティブ、在宅ケア体制の整備などの理由で「最期は自宅で」という流れが速まっています
本人・家族・病院側であと少ない時間を在宅で過ごすようにケアマネージャーに介入を求めても、ケアマネジャーによっては断られてしまったり、「無理に決まっている」と決めつけてしまうことも少なくありません
少しの時間でもタイミングを逃してしまうと、自宅に帰ることができなくなってしまい本人・家族・病院スタッフに大きな後悔に繋がってしまう可能性があります
今このタイミングで介入できるその時にすぐに介入し、1日でも2日でも自宅で過ごす時間を作ることができるのはケアマネジャーの力が必要であるといえます
⑥援助を言葉にできる
ケアマネジャーがキャッチした本人の「苦しみ」や「支え」を一人で抱え込むのではなく、チームで共有することによって「支えを強めること」ができます
「どのような支援をすれば穏やかな表情になれるのか」を言葉にして、家族、医療・介護専門職と共有していきましょう。そうすることでチームの一人ひとりが「支えを強める役割」を果たすことができます
⑦情報のバトンを渡すことが出来る
長年本人を支えてきたケアマネジャーには家族の知らない情報を持っていることもあります
しかし、終末期になると家族の存在が大きくなり、医療の比重も大きくなります
今まで蓄えてきた情報のバトンを家族や医療職に渡し、委ねていけるのもケアマネジャーの強みです
ケアマネ
ケアマネだからこそできることをやれるといいんだね!
ケアマネジャーとしての強みや役割を認識し、自分のできる方法で利用者さん・ご家族にとって一番いい支援を考え、提供しましょう
看取り期に支援するためには???
例えば、ターミナルケアのゴールを「本人の表情が穏やかになる」とした場合にケアマネジャーができることはなんでしょうか
①ターミナル期の苦痛について理解する
1)解決できる苦痛
痛み、脱水、誤嚥、便秘、下痢、貧血、悪心・嘔吐、腹部膨満感、発熱、褥瘡、浮腫、創傷の悪化、臭気、呼吸困難、各種感染、うつ症状、せん妄、倦怠感、不安、焦燥感 (終末期に起こりうる苦痛)
これらの軽減は、在宅医療や、介護サービスの利用で改善や緩和を図ることができます
2)解決できない苦痛
孫の結婚式に出席する夢は叶わないようだ
他にも…「何のために生きているのだろう」「家族を残して死ねない」「なぜ、こんな病気になったんだろう」「どうして、こんな目に遭うのだろう」「今までの自分ではなくなった」など
死を前にした人の語る、理不尽とも言える苦しみの答えへの答えは容易に見つかりません。解決できないものがあり、全ての苦しみをゼロにすることはできません。
②「解決できない苦痛」を抱える人にどのように関わり、ターミナルケアのゴールである「本人と家族の表情が穏やかになる援助」を行えば良いのでしょうか?
ケアマネ
看取り期の人との関わりは、なんとなく気持ちが重くなってしまいます
こちらが不安に感じていると、利用者さんや御家族に伝わってしまいます
疾患の管理などの医療的なことをすべて把握する必要性はありません
ケアマネジャーとしての得意な相談援助技術で、「解決できない苦痛」について話を深堀りし、気持ち整える支援ができるとベストになります
苦しんでいる人は、自分の苦しみをわかってくれる人がいると嬉しいものです
1)相手の苦しみは具体的に何か?
2)相手の支えとなるものは何か? 3)どのような自分であれば相手の支えを強めることができるか?
援助者がどんなに頑張っても「解決できない苦しみ」をゼロにすることはできません。
健康な時や、順調な時は自分に支えがあることに気がつかないものです。
病気になったり、死期が迫ったりすると状況一変します。
いつもの当たり前のことがどれほど素晴らしいことかに気がつくことができるのです。
【反復】
1)聞きたいことを聞くのではなく、相手が伝えたいことを聞く
2)相手を理解したと思ってはいけない
3)言い換えず、相手に返す
4)感情の先取りはしない
5)ネガティブな感情も反服する
【沈黙】
1)大切なことはそう簡単には返せない
2)沈黙は「待つ」こと
3)利用者は沈黙を長いと感じていない
4)長い沈黙には少し背中を押す言葉をかける
【問いかけ】
1)自分が聞きたいことを問いかけるのではない
2)苦しみの中から穏やかになれる方法を知る
3)苦しみを乗り越えた支えを振り返る
ケアマネ
それは得意なので!出来そうです
出来ることを支援していくだけだと思うと自信をもって関わることができます!
特に看取り期は、医療ケアが多くなるため、ケアマネジャーの役割が乏しく感じてしまいがちですが…、ケアマネジャーの得意なことを、ケアマネジャーの役割の範囲で行うことが大切です
「解決できない苦痛の緩和」を支援できるのは時間に縛られず、対等な立場で話ができるケアマネジャーの特権かもしれないですね!
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